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かーちゃんはつらいよ

施設入所した19歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

教科書の整理

2016年02月13日 23時25分45秒 | みゆみゆとの生活
夜ぐっすり寝て、昼寝もして。
夕方にはすっかり元気になり、去年は出せなかったお雛様を出しました。
お久しぶり。お雛様。
みゆみゆも手伝ってくれたよ。

ついでに掃除もしたくなって、お雛様を飾った棚を整理し始めました。

ずっと整理できていなかった棚なので懐かしいものがたくさん出てくる。
みゆみゆやそうちゃんが小さかった頃の写真とか。
そうちゃんが地元小学校(特別支援学級)に通っていた時の連絡帳とか。
懐かしさに泣きそうになるのをこらえて、整理を進めました。
先生方も悩みながら、よく向き合ってくれていたと、改めて感じながら。

棚の隅には、教科書が20冊ほどありました。
1年生から3年生までの教科書です。

1年生の教科書には、手垢がついている。
これからも、絵本のようにして見ることがあるかもしれない。取っておこう。

一方、2年生・3年生の教科書は、新品と同様にきれいなまま。開いた形跡はない。

パラパラとめくっていたら、突然涙がこぼれてきました。
漢字も、九九も、そうちゃんにはわからない。難しすぎる。
ひらがなが書けない、1と2のどちらが大きいかがわからないそうちゃん。
おそらくこれから先も、この教科書を使う日は来ないだろう…。

その教科書は、勿体ないけど処分することに決めて、
昔、ごく当たり前に考えていた一つの「未来」に、サヨナラしました。
言いようのない、母としての哀しみと共に。


特別支援学校では、ほとんど教科書を使うことはありません。
発達段階に応じた課題を個別支援計画に基づいて設定し、取り組むからです。
なので、支援学校に行ってからは、こういう思いをすることはないのだけど。

ただ、支援学校に行くには、片道45分以上バスでかかる。
そして支援学校に行ってしまうと、地元のお友達と接する機会は極端に減る。
「その学年の教科書」が一つとして理解できない子が存在することを、「普通」の子供達が知らずに大人になってしまう。

いろいろな限界を感じて、3年生の途中から支援学校にそうちゃんを転校させた時のことを後悔はしていないし、家族全体のバランスも考えるとそれしか選択肢はなかったと今でも思うけど。
でもそれは、ベストではなくベターだったと、思い返す。

そんないろいろを、グルグル考えながら、苦い涙を噛み締めてお風呂に浸かりました。
教科書は、廃品回収用に、夫にくくってもらいました。

元気になったはずだったのに、思いがけず飛んできたカウンターパンチ。
痛かったー。