Dr-Hの船外機のお話

船外機のメンテナンス

BF135A4とBF20D3の続きと、そういうことなら急でも行きます。

2013-12-19 17:46:05 | インポート

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?

昨日、BF20D3のバルブ折損&海水ジャブジャブの修理中、いつもお世話に

なっているマリーナの所長からお電話があって・・・

「急やねんけど、BF135A4のオイル交換に来てくれへん?」

私「えっ、オイル・・・・・だけで・・・」

「実はM君(整備)のご家族に不幸が・・・」

私「いつもの外注のNさんは?」

「いま日本海で53コンバーチブルの回航中で・・・」

私「そういうことなら、お互い様ですから明日行きます!」

で・・・・

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エンジンオイルとギヤオイルの交換とか、その他モロモロを・・・

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オーナー様は「ブローバイガスのオイルが垂れる」とのことで、

吸引機がオイルを、またギヤオイルが抜ける時間を利用して、

エアクリーナー等などのクリーニングも行って・・・

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プロペラシャフトの点検なども行ったのでした。

お別れは、恒例の年末のご挨拶・・・

今年も、残り少なくなりました・・・

さて、BF20D3の続きです。

誰か?のボルトのトルク管理不足?で、パワーユニットの

ベースガスケット付近から海水がジャブジャブ入っていたので・・・

「こんなとこも・・・」

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コンロッドの取付ボルトの中まで・・・ほぼ全バラ決定ですね(泣)

怖いのは、中身ですが・・・

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ああ、ここまでミルクコーヒー攻撃です。

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今までエンジン掛かっていたからと言って、これを見て、

そのままブンブン回していいとは、誰も思わないでしょう・・・

半分塩水ですし・・・

海への水没機は、いつ、どのように海水が入ったか情報があったり、

すぐに対処するので、そちらの方が症状が軽い場合もあります。

(注、電装品を除く)

でも、今回のようなミスでチョロチョロ海水が入っていたり、

防食亜鉛を定期交換しなかったので冷却水路に腐食で穴が開いて

水が少しずつ、少しずつ入った場合は、深刻な場合もあるので、

判断が難しいです。

「ギョエェェェェェ~」

シリンダーのピストンの行程の下側が、すっかり錆びております。

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いつから塩水が入っていたのか?

エンジンは黙して語りません・・・

調子が悪いエンジンのスパークプラグは、真っ黒です。

ということは、シリンダーヘッドの内側も・・・・

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当然・・・・・真っ黒です。

ススがタールのような、おこげのように張り付いています。

良い燃焼を目指して・・・クリーニングします。

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「これぐらいで許したろう」・・・

いえ、許してください。

ほかにもやらないといけないことが・・・

さて、パーツが届きました。

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ステムシールをつけていたら、マリーナさんやってきました。

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早くお客さんに返してあげたいと、引取りを兼ねて、勉強も兼ねて、

お手伝いに来られました。

感心ですね。

お客さんがうらやましいです。

で、マリーナさんが持って帰れるように必死で、写真も撮らずに・・・

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一気に組み上げました。

その後試運転し、OKです。

マリーナスタッフの自家用車に積まれて、かえっていきました。

「バルブまでスリスリしたから、パワーもどったやろうな・・・」

復活したBF20D3、たぶん今日から警戒船の仕事を

していると思います。

働き者のBF20D3くん、

寿命が延びたので、もっと稼いでね~。


一回忌

2013-12-16 17:55:52 | ブログ

12月25日は「、I 造船所」の「I 社長」の一回忌です。

2月ごろも書きましたが、日本のFRP和船の歴史を作ってこられた、I 社長は

インターセプターの開発にも協力をしていただいたり、

私、大変お世話になりました。

さきほど奥様とお話をしましたが、お元気そうでしたよ。

まだ雪は積もっていないとか。

ご冥福をお祈りいたします。


JCI検査とBF20D3がピンチです。

2013-12-16 17:18:09 | ブログ

皆様ご機嫌はいかがですか?

私は先週末、今年最後のJCI検査で少し遠くへ・・・

検査の約束は13:00ですが、9:00に現地に着いて、簡単に各部の

点検をします。

検査ですから、「ちゃんとしているか」確認しなくてはいけません。

少し遠くですから、検査不合格→やり直しになると、交通費もバカになりません。

エンジンルームのビルジや、ビルジポンプから始まって、各コックの確認、

(1箇所ニップルの腐食発見)、バッテリーや充電状況、エンジンの確認や

(Vベルトの消耗発見)燃料タンク、シールスタン、その他確認します。

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私がよくやるのは、法定備品をデッキに出して並べておきます。

検査官が来る前に暖気を終え、車が見えたらボートのエンジンをかけておき、

夜間航海灯を全部点灯したまま、ボートの前で検査官に挨拶します。

当然エンジンの製造番号やハルの番号を見やすいようにしておきます。

検査官が乗り込んできたら、エンジンを切ります。

あとは、検査官の指示に従って、またエンジンをかけたり、

その他、確認作業のお手伝いをします。

これで、大体数分で検査を完了していただいております。

これくらい当然と思うのですが、検査官が来てから救命胴衣を

引っ張り出したり、初めてエンジンをかけようとして、なかなか掛からなかったり・・・

私は、したくありません。

で、その帰りに、とある高速の降り口のICで、誰かに呼ばれたように

降りて・・・なぜかとあるお得意様のところに立ち寄ってしまいましたところ、

「ちょうど困っていたんだよ、助かるよ」と・・・

なにやら、BF20D3のエンジンオイルに水が混じるとか・・・

エンジンを掛けると「ズンドコズンドコ」

「あかんあかん、片肺ですわ!、止めて止めて!!」

すぐにエンジンを止めてもらって、エンジンオイルを見ると、

乳化して見事にミルクコーヒーです。

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「おかしいなあ、BF20D3が電食でオイルが乳化するのは珍しい・・・」

ヘッドの抜けかな?プラグ見るか?と、サイドカウルをはずすと、なんと

パワーユニットを下から止めているボルトが、数本抜けて落ちています。

「なになに、塩カミで外れないのはわかるけど、落ちてる???」

でも、ボルトの頭には、全部工具を掛けた後があります。

「過去に誰か、はずしたな~」

さらに、センターの1本は外れず、頭がズルズルです。

(画像をクリックすると、拡大します)

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さあ、この頭ズルズルのボルト、たぶん適当な、精度の低い工具ではずそうと

したのでしょう。

こんな場所です、ネジザウルス君も、バイスプライヤー君も活躍できません。

当然、私のKTCのスパナも、引っかかりもしません。

グラインダーも入らないので、切れません。

お得意さま、クルマに乗って「ドリルの先に付ける××買ってくる~」とどこかに・・・

で、一人で10分ほど奮闘し・・・

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緩みました。

で、バラバラにして、原因がわかったので、もって帰りました。

途中でオーナー様も来られて「〇〇△Ⅱ☆~」と

なにやら以前の修理で、パワーユニットをはずそうとボルトを緩めたが、

センターのボルトの頭がめげたので、途中でやめた方が・・・

で、センターしかまともに留まっていないので、インペラーから上がってきた

水は、すぐにオイルパンにジャブジャブ入っていたのです。

修理ではなく、壊しているのです、これ・・・・(怒)

かわいそうに・・・

「ゲロゲロ~」

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水の混じったオイルが、40万円もするエンジン内に・・・

さらに、「ズンドコズンドコ」の原因は・・・

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1番のバルブスプリングが折れていました。

バルブの折れは過去にたくさん見ていますが、ホンダ船外機でみるのは、初めてです。

そういえば、よそで「見てよこれ(怒)見て」と見せていただいたものの多くは

エンジンオイルも同じように乳化していたような・・・

Y博士に「なぜなぜどうして」と聞くと「そりゃ水が入ったら、酸化して折れるわ!」とのこと。

勉強になりました。

現在、バラバラでございます。

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まあ、私もたいしたことない修理屋さんだと思いますが、

今回のは・・・・

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今週、お迎えに来られます。

これ、警戒船のエンジンなので、お休みないのです。

でもBF20D3君、久しぶりの休暇がこれでは、気の毒です。

今日も夕方から、バラバラの続きです。

あれ?急に高速から私を引きずり降ろしたのは、

ひょっとして・・・BF20D3・・・???

でも、私は「ふしぎくん」ではありません。

念のため・・・・・・・・・・。


相模湖にインターセプター11が進水するんです。

2013-12-12 18:07:26 | ニュース

皆様、ご機嫌はいかがでしょうか?

相模湖のバスボートのレンタルボート店「秋川屋 秋山川釣の家」様に

特注の「インターセプター11RS Ⅱ」が近く進水いたします。

http://ameblo.jp/akiyamakawa/

昨年に引き続きの納艇でございます。

有難うございます。

関東の皆様!、冬休みのバスフィッシングは、ぜひ!!

「秋山川釣の家」様にご予約を!

さて、この「インターセプター11RS Ⅱ」ですが・・・

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エレキをつける場合は、標準のエレキベースでセットできます。

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独自にこんな改造をして、ドレスアップもかっこいいかも。

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バウデッキには、荷物やタックルボックスを入れるストレージが

ございます。

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ステム~ボトムの形状は、波きりがよく、かつ浮力にある

こんな形状です。

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ライブウエルもこのクラスでは最大です。

デカバスがたくさんつれても、余裕です。

相模湖のデカバスをたくさん釣って桟橋でみんなに自慢しましょう。

で、管理人さんと記念写真も!

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トランサム付近のボトム形状は、こんな感じです。

これが安定を増す為の形状です。

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こんなに広いデッキです・・・・ほとんどアルミ12ftと変わらない?

後部にも物いれ兼バッテリーストレージがあります。

さて、今回のインターセプター11RSⅡの、どこが特注なのか・・・

それは・・・現地に行った方のみのお楽しみです。

または・・・管理人さんのブログに載ると思いますので、

遠方で現地にいけない方は、ブログをちょこちょこのぞいてください。

http://www.akikawaya.co.jp/turi/turitop.htm

旅館もされています。

家族と一緒に、泊まって、釣りして、心を洗濯できます。

もうすぐ完成です。

造船所は「ヒーヒー」言いながら、最後の仕上げに入っております。

(私が何度も電話するので・・・嫌われたかな(泣))

長々とお待たせいたしまして、申し訳ございませんでした。

もうすぐ、納艇でございます。

レンタル専用バスボート!

「インターセプター11RSⅡ」!!

有難うございます。


TOHATSU・MFS2Bの定期点検の続きですわ!

2013-12-11 16:46:29 | ブログ

皆様ご機嫌はいかがでしょうか。

本日の私は、朝からCR-V君のタイヤの点検を・・・

最近、やたらと轍にハンドルが取られるので、今朝も出勤途中に

勝手に横に行くので、確認しましたが・・・

Taiya

う~ん、そろそろ内側が厳しいかな~

スリップマークも、もうすぐ・・・・・

誰ですか!「バイクのタイヤみたいや」といった人!

「もったいないお化け」が出ないように完璧に使っているだけです。

しかし・・・もうすぐ溝残1.6mmに達しそうです。

おまわりさんに捕まる前に、そろそろ会社にタイヤ交換の申請をしようと思います。

もちろん、ノーマルタイヤです。

私は、空気圧を気分ですぐに変えます。

CR-V君の標準空気圧は、前1.8、後ろ1.7です。

夏ごろはずっと2.2ぐらいで走ってました。

秋は2.0でした。

現在、前後とも1.8です。

乗っていて、なんとなく「固いな」とか「やらかいな」で

変更しています。

それだけのことですが、少し、気分が変わります・・・

で、MFS2Bの点検の続きです。

(画像をクリックすると、拡大します)

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ポンプケースのボルトは、本当に折れることを覚悟しながら、抜きました。

しおしおです。

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インペラーは、使おうと思ったら使えますが、おそらく1度も交換を

していないと思うので、オーナーも気にされていましたし、交換します。

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ネジ穴は、塩でびっしりです。

トリルやタップで塩を除去します。

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ボルトも再生します。

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さて注文していた部品がトーハツパーツセンターよりやってきました。

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トーハツさんも、部品比較的安いです。

良心的?

オイルを下抜きしたら、ドレンボルトのアルミパッキンは、必ず

新品に交換しましょう!

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部品価格¥63-です。

換えないほうが、おかしい・・・

でないと、オイルがにじんだり、無理に締めてねじ山をつぶして・・・チーン♪

最近はステンレスだと電気腐食を誘発しやすいからかその防止の為か、

はたまた他の理由からか、どこのメーカーもメッキのボルトが多く使われます。

で、ほんの少し錆びやすいです。

(私は、電気腐食しにくく、折れにくいこのボルトの方がずっと好きです)

で、タッチアップしてください。

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ギヤオイルも交換時には、ドレンボルトのパッキンを交換しましょう~

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ギヤオイルのレベル穴のすぐ上に見えている小さい穴は、

ポンプケースの中に水が残らないように外に出す穴です。

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さて、ギヤケースを組み上げます。

「ヒーヒーヒー~」

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相変わらず、このバーチカルシャフトとウォーターパイプとシフトシャフトを

ここでつなぐこの伝統的な方式は・・・・苦手です。

BF225Aのギヤケースを組みより時間が掛かります・・・私だけ??

サーモスタットも・・・

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ここは、点検だけです。

陸上保管ですし・・・・

さて、試運転です。

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キャブレター内に海水(塩水)が入って固まっていたので、

洗浄液では塩は溶けないので、エアーやワイヤーやパーツクリーナーで

必死で掃除しましたが、届かないところもあるので、緊張します。

最悪を想定して、裏技を先生に聞いていたのですが・・・

大丈夫でした!

ホッとします。

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最後に十分暖気して、ベースアイドルの調整をします。

完璧です。

で、オーナー様は「点検完了」のご報告で当日お引取に

きていただきました。

お正月の鯛を釣りに行かれるご予定だそうです。

海の神様、年末は穏やかでありますように・・・