皆様ご機嫌はいかがですか?
私は先週末、今年最後のJCI検査で少し遠くへ・・・
検査の約束は13:00ですが、9:00に現地に着いて、簡単に各部の
点検をします。
検査ですから、「ちゃんとしているか」確認しなくてはいけません。
少し遠くですから、検査不合格→やり直しになると、交通費もバカになりません。
エンジンルームのビルジや、ビルジポンプから始まって、各コックの確認、
(1箇所ニップルの腐食発見)、バッテリーや充電状況、エンジンの確認や
(Vベルトの消耗発見)燃料タンク、シールスタン、その他確認します。
私がよくやるのは、法定備品をデッキに出して並べておきます。
検査官が来る前に暖気を終え、車が見えたらボートのエンジンをかけておき、
夜間航海灯を全部点灯したまま、ボートの前で検査官に挨拶します。
当然エンジンの製造番号やハルの番号を見やすいようにしておきます。
検査官が乗り込んできたら、エンジンを切ります。
あとは、検査官の指示に従って、またエンジンをかけたり、
その他、確認作業のお手伝いをします。
これで、大体数分で検査を完了していただいております。
これくらい当然と思うのですが、検査官が来てから救命胴衣を
引っ張り出したり、初めてエンジンをかけようとして、なかなか掛からなかったり・・・
私は、したくありません。
で、その帰りに、とある高速の降り口のICで、誰かに呼ばれたように
降りて・・・なぜかとあるお得意様のところに立ち寄ってしまいましたところ、
「ちょうど困っていたんだよ、助かるよ」と・・・
なにやら、BF20D3のエンジンオイルに水が混じるとか・・・
エンジンを掛けると「ズンドコズンドコ」
「あかんあかん、片肺ですわ!、止めて止めて!!」
すぐにエンジンを止めてもらって、エンジンオイルを見ると、
乳化して見事にミルクコーヒーです。
「おかしいなあ、BF20D3が電食でオイルが乳化するのは珍しい・・・」
ヘッドの抜けかな?プラグ見るか?と、サイドカウルをはずすと、なんと
パワーユニットを下から止めているボルトが、数本抜けて落ちています。
「なになに、塩カミで外れないのはわかるけど、落ちてる???」
でも、ボルトの頭には、全部工具を掛けた後があります。
「過去に誰か、はずしたな~」
さらに、センターの1本は外れず、頭がズルズルです。
(画像をクリックすると、拡大します)
さあ、この頭ズルズルのボルト、たぶん適当な、精度の低い工具ではずそうと
したのでしょう。
こんな場所です、ネジザウルス君も、バイスプライヤー君も活躍できません。
当然、私のKTCのスパナも、引っかかりもしません。
グラインダーも入らないので、切れません。
お得意さま、クルマに乗って「ドリルの先に付ける××買ってくる~」とどこかに・・・
で、一人で10分ほど奮闘し・・・
緩みました。
で、バラバラにして、原因がわかったので、もって帰りました。
途中でオーナー様も来られて「〇〇△Ⅱ☆~」と
なにやら以前の修理で、パワーユニットをはずそうとボルトを緩めたが、
センターのボルトの頭がめげたので、途中でやめた方が・・・
で、センターしかまともに留まっていないので、インペラーから上がってきた
水は、すぐにオイルパンにジャブジャブ入っていたのです。
修理ではなく、壊しているのです、これ・・・・(怒)
かわいそうに・・・
「ゲロゲロ~」
水の混じったオイルが、40万円もするエンジン内に・・・
さらに、「ズンドコズンドコ」の原因は・・・
1番のバルブスプリングが折れていました。
バルブの折れは過去にたくさん見ていますが、ホンダ船外機でみるのは、初めてです。
そういえば、よそで「見てよこれ(怒)見て」と見せていただいたものの多くは
エンジンオイルも同じように乳化していたような・・・
Y博士に「なぜなぜどうして」と聞くと「そりゃ水が入ったら、酸化して折れるわ!」とのこと。
勉強になりました。
現在、バラバラでございます。
まあ、私もたいしたことない修理屋さんだと思いますが、
今回のは・・・・
今週、お迎えに来られます。
これ、警戒船のエンジンなので、お休みないのです。
でもBF20D3君、久しぶりの休暇がこれでは、気の毒です。
今日も夕方から、バラバラの続きです。
あれ?急に高速から私を引きずり降ろしたのは、
ひょっとして・・・BF20D3・・・???
でも、私は「ふしぎくん」ではありません。
念のため・・・・・・・・・・。