そりゃないぜ

２日（金）夕方のTBSニュースをたまたま見たのだが、その中の特集でカメコが糾弾されていて、オレは不愉快になった。

すべてを見たわけではないのだが、舞台は先日の浅草サンバカーニバルだ。
演舞を終えた直後の「無防備なダンサー」を、カメコがビデオで撮影したとして、そのカメコがテレビ局の追及を受けたのだ。
カメコは路地に逃げたのだが、スタッフが執拗に追い駆け、捕まった。
そして尻の映像が確認されると、スタッフに「これは消していただけますね？」と脅され？カメコはしぶしぶ映像データを消した、というわけだった。

オレは本当にいたたまれなくなった。もう、他人事じゃないからね。
サンバチームの中には、演舞前後の撮影に厳しいところもあるが、このブログにもたびたび書いているとおり、たいていのチームは大らかである。
今回糾弾されたカメコがどのくらいの時間撮影していたのか知らないが、チームもゴール直後だったようだから、せいぜい数秒であろう。まあクルマに譬えれば、制限速度を10キロオーバーで走ったようなものだ。オレ的には「ギリギリセーフ」である。
これをTBSは「盗撮」とまで表現した。それはないぜ。

オレはモデル撮影会にも行くけれども、海辺でのそれは一般客もいるから、時には彼らが無許可でモデルを撮ることがある。
だけどそれをオレたちが見ても、注意してはいけない、というのが暗黙の了解である。
これを注意するのは撮影会のスタッフであって、オレたちがそれをやるのは越権行為だからだ。
撮影会は原則ビデオ禁止だが、カメラマンの中にはビデオを回しているバカもいる。でも同様に、オレたちは注意しない。やはりスタッフの仕事だからだ。

今回のテレビでは、TBSのスタッフがしゃしゃり出て、カメコの映像を消去した。これはやりすぎであろう。注意するなら、浅草サンバのスタッフか、警備員でなければならない。
そもそもTBSは、今回浅草サンバを撮りに来たんだろう？
それが何で、ゴール付近でカメコを監視していたのだ？　もっと他に取材する場所があったじゃないか。
これは明らかに、ゴール後のダンサーを撮影したカメコを狙っていたと考えられる。このカメコは不運なことに、生贄にされてしまったのだ。

ちなみにこのカメコは、関東の常連サンバカメコではなかった。だから浅草サンバのみに現れたピンポイントカメコか、あるいは他のジャンルのカメコだったかもしれない。
このカメコにはボカシがかかっていたけれども、これ、見る人が見れば分かりますよ。
オレがこのカメコと同じ立場だったら、泣いて放送中止を懇願します。だって、絶対分かるもん。

浅草サンバの翌日、新聞に浅草サンバの記事が載っていた。身内がこれを話題にしたから、オレはよほど「そのサンバを見て来た」と言いかかったが、今回のような放送があると、やっぱり口にしなくてよかったと思う。
「お前もこんなビデオ撮ってるんじゃないだろうな」
なんて冗談でも口にされたら、ここからほころびが拡がりかねないから。

それにしてもTBS、やってくれたよね。サンバカメコは必要悪。こういうのを暴いちゃいけないんだ。
ちょっともう、TBSの番組は見る気しないな。