米中の激しい貿易交渉は、とりあえず三か月ばかり休戦ということになったようです。
わが国をはじめ、多くの国は、ほっと一息ということではないでしょうか。
「貿易戦争」などと大げさなテーマを掲げて見ましたが、私が特別な知識を持っているわけではなく、新聞やテレビなどで報道されるものの断片を、拙い知識で勝手に理解したものがベースであることをお断りしておきます。
貿易戦争という言葉自体は、相当以前からあったものと思われますし、当時者同士が激しく対立する状況は、おそらく人類の歴史と大差ないほど古くからあるものと考えられます。
わが国の戦後の円/ドル相場の変遷を振り返ってみても、1ドルが360円だったことを考えますと、現在、1ドル当たり数円動いただけで、まるで大企業が傾いたり、国家さえも大打撃を受けると大騒ぎすることと考え合わせれば、厳しい貿易条件の変化をよくも切り抜けて来れたものと思ってしまいます。
貿易戦争という言葉は時々目にする言葉ですが、その多くは、当事国が激しく競り合うことの象徴として使われることが多いように思われます。
しかし、今回の米中間の貿易戦争は、その言葉通りのような不気味さを感じさせます。今回、とりあえず休戦になりましたが、その内容に関する両国の発表を聞くだけでも、とても合意などとは程遠いものであったことが考えられます。
両国による互いの関税の掛け合いは、圧倒的に輸入額が大きい米国の方が有利なような気がしますが、そうそう簡単なものではないようです。両国間の経済交流、第三国を経由したものなどを考えていくと、両刃の刀という面が強く浮かび上がってきます。それに、米国の方が圧倒的に世論を気にしなくてはならない弱みもありそうです。
そういうことを考えれば、どこかで手打ちが必要な気がするのですが、今回の米中の貿易戦争は、どうも「貿易を前面に立てた戦争」という感じが漂っているように思われるので、全面解決というのは、簡単には実現しないのではないでしょうか。
現在、それぞれの国は、個別に、あるいは集団で、関税を中心として経済活動の統一を図っています。しかし、現在のわが国についてでも、とても私などでは説明できないほど複雑ですし、その究極を目指したはずのEUでさえ難問山積みのようです。
ただ、肝に銘じておかなくてはならないことは、どんな堅い絆で結ばれた契約があったとしても、究極の状態になった場合には、どの国も自国優先になることは間違いありません。つまり、わが国の場合、食料とエネルギーに関しては、輸入なしでは成り立たない国家になってしまっていることを認識する必要があります。豊かな自然に恵まれたわが国がどうして食糧自給率がこれほど低いのか、海洋資源に恵まれているわが国はエネルギーの自給も夢ではないはずです。
ドルを貯め込むことも必要ですが、ドルさえあれば食料も石油も手に入れることが出来る時代がいつまでも続くと考えるのは、あまりにも楽観過ぎるのではないでしょうか。
( 2018.12.04 )
わが国をはじめ、多くの国は、ほっと一息ということではないでしょうか。
「貿易戦争」などと大げさなテーマを掲げて見ましたが、私が特別な知識を持っているわけではなく、新聞やテレビなどで報道されるものの断片を、拙い知識で勝手に理解したものがベースであることをお断りしておきます。
貿易戦争という言葉自体は、相当以前からあったものと思われますし、当時者同士が激しく対立する状況は、おそらく人類の歴史と大差ないほど古くからあるものと考えられます。
わが国の戦後の円/ドル相場の変遷を振り返ってみても、1ドルが360円だったことを考えますと、現在、1ドル当たり数円動いただけで、まるで大企業が傾いたり、国家さえも大打撃を受けると大騒ぎすることと考え合わせれば、厳しい貿易条件の変化をよくも切り抜けて来れたものと思ってしまいます。
貿易戦争という言葉は時々目にする言葉ですが、その多くは、当事国が激しく競り合うことの象徴として使われることが多いように思われます。
しかし、今回の米中間の貿易戦争は、その言葉通りのような不気味さを感じさせます。今回、とりあえず休戦になりましたが、その内容に関する両国の発表を聞くだけでも、とても合意などとは程遠いものであったことが考えられます。
両国による互いの関税の掛け合いは、圧倒的に輸入額が大きい米国の方が有利なような気がしますが、そうそう簡単なものではないようです。両国間の経済交流、第三国を経由したものなどを考えていくと、両刃の刀という面が強く浮かび上がってきます。それに、米国の方が圧倒的に世論を気にしなくてはならない弱みもありそうです。
そういうことを考えれば、どこかで手打ちが必要な気がするのですが、今回の米中の貿易戦争は、どうも「貿易を前面に立てた戦争」という感じが漂っているように思われるので、全面解決というのは、簡単には実現しないのではないでしょうか。
現在、それぞれの国は、個別に、あるいは集団で、関税を中心として経済活動の統一を図っています。しかし、現在のわが国についてでも、とても私などでは説明できないほど複雑ですし、その究極を目指したはずのEUでさえ難問山積みのようです。
ただ、肝に銘じておかなくてはならないことは、どんな堅い絆で結ばれた契約があったとしても、究極の状態になった場合には、どの国も自国優先になることは間違いありません。つまり、わが国の場合、食料とエネルギーに関しては、輸入なしでは成り立たない国家になってしまっていることを認識する必要があります。豊かな自然に恵まれたわが国がどうして食糧自給率がこれほど低いのか、海洋資源に恵まれているわが国はエネルギーの自給も夢ではないはずです。
ドルを貯め込むことも必要ですが、ドルさえあれば食料も石油も手に入れることが出来る時代がいつまでも続くと考えるのは、あまりにも楽観過ぎるのではないでしょうか。
( 2018.12.04 )
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