雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

右ですか? 左ですか? ・ 小さな小さな物語 ( 1778 )

2024-06-17 08:00:34 | 小さな小さな物語 第三十部

選挙権もない私ですが、今もっとも関心があるのは東京都知事選挙です。
都知事選挙の日程は、6月20日告示、7月7日投開票と決まっていますが、すでに立候補予定者は50人を超えていると報道されています。その一方で、立候補を取り止めると表明している人もいるようですが、まだ告示日も至っていないのですから、取り止めも何もないと思うのですが、おそらく、支援者や選挙準備を手伝ってくれていた人などへの手前があるのでしょうね。
この一事からだけでも、すでに選挙戦は始まっていると言うことなのでしょう。

まあ、そのようなことは今回に限ったことではなく、どの選挙においても告示日の遙か前から実質的な選挙活動が行われていますし、この数日だけでも、いつ行われるか分らない衆議院選挙の事前運動ではないかと思わせる風景が、幾つも見られたのではないでしょうか。
都知事選挙に話を戻しますと、もし五十人が立候補したとなりますと、これまで余り見たこともないような選挙運動もどきの現象が現れそうです。告示前の段階でも、「これが選挙運動ではないのか」と思える活動がまかり通っていますし、「ふざけないで欲しい」と言いたくなるような発言なども報じられています。

今回の都知事選挙の特徴の一つは、下馬評では有力だと言われている二人の候補予定者の支持体制の表現の仕方を、知恵の限りを絞っていることです。
現知事は自民党の支援は必要だと思っているのでしょうが、裏金問題をはじめ余りにも不人気なので、その火の粉を避けながら果実だけはどう手にするかに腐心しているように見えます。一方の挑戦者と自称しているお方は、所属党を離れましたが、全面支援を受ける他党も合わせると政治色が偏りすぎると懸念してのことなのでしょうが、「離党したからと言ってもなあ」という声も聞こえてきそうです。
このお二人に限ってみますと、いくら工夫を施しても、右と左の戦いで、それぞれの勢力の戦いと言えますが、それ以上に、中間層を引き付けることが重要だと双方ともが考えていることが良く分ります。

「右ですか」という質問に対して、「右ではありませんが、応援はいただいています」と答える人がいます。
「左ですか」という質問に対して、「左ではありませんが、応援はいただいています」と答える人がいます。
そして、どちらの人も、狙いは「中」の人なのでしょう。いえ、これは、都知事選挙のことではなく、一般的な話です。
そして、この考え方は、何も選挙に限ったことではなく、私たちの日常の立ち位置にも似たような所があるように思うのです。
政治的な意味ではなく、様々な場面で、「右ではないですが、左でもありません」と言った考えや行動を取ることが、私たちには多いような気がします。「右・どちらかと言えば右・どちらかと言えば左・左」の四項目でアンケートを取りますと、ほとんどの場合、「どちらかと言えば右」と「どちらかと言えば左」で相当部分を占めることが多いようです。味方を増やすより敵を作りたくない、という考えの人が多いようです。
ここは一つ勇気を持って、「右でもありますが、左でもあります」と殻を破ってみると、どうなりますかねぇ。


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