雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

女性が働きにくい国??

2024-03-08 19:23:54 | 日々これ好日

      『 女性が働きにくい国?? 』

    わが国は それほど 女性が働きにくい国なのだろうか 
    などと 考えている者がいるのが
    何よりの 証拠かも知れない
    英国のエコノミスト誌の調査によれば
    わが国は 「女性の働きやすさ」ランキングが
    OECD加盟29カ国中 27位だとか
    唖然とするほどの 低さだが
    これでも 去年までより一つ上がったそうだ
    さすがに恥ずかしいが どうすれば良いのだろうか
    「とりあえず」などと言えば 叱られるかも知れないが
    女性首相の登場が 期待できそうな手段の一つかな???

                    ☆☆☆

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倫子の姫君たち ・ 望月の宴 ( 104 )

2024-03-08 07:58:35 | 望月の宴 ③

      『 倫子の姫君たち ・ 望月の宴 ( 104 ) 』


中宮(彰子)は、上の御局(ウエノオンツボネ・里内裏である一条院の部屋の一つ。)においでになる。
御手習いなどなさるときは、和歌などをお書きのようである。ただ今の御年は二十歳ばかりにおなりであるが、まことに若々しくていらっしゃるのは、もともとたいそう小柄なお方であられるからでしょう。ほんとに小柄で気掛かりに思われるほどでいらっしゃる。
御髪(ミグシ)は、同じことを繰り返すようだが、言いようもないほど黒々としてご立派で、御身の丈に二尺ばかり余っていらっしゃる。肌の御色は白くて麗しく、酸漿(ホオズキ)などを吹き膨らませて置いたかのように可愛くお見えになる。
格別にすばらしい紅の御衣を重ねた上に、白い浮文(ウキモン・文様を糸を浮き立たせて織った絹織物。)の御衣をお召しになって、御手習いをなさるために物に寄り添っていらっしゃる。

御髪がこぼれかかっている様子をご覧になって、殿(道長)は驚くばかりにご立派だとお思いになる。
女房があちらこちらに集まって、七、八人ずつが一緒になって伺候なさっている。禁色(キンジキ・身分によって使えない色があった。)の使用を許され女房の装いが見事なのはむろんのこと、平唐衣(禁色を許されていない女房の衣。)、無紋(織文様のない絹織物。)などの唐衣が、それぞれに興深く見受けられる。
古の后は、童女(メワラワ)は召し使いなさらなかったが、当世はお好みによっては、様々にお使いになる。やどりぎ、やすらひ、などという女童は、それほど小さくはないのだが、髪は長く容姿も美しく、汗衫(カザミ・女童の表着)だけをお着せになって、表袴(ウエノハカマ)は着用していないが、その姿有様は、まるで絵に描いたように優美で興趣をそそられる。

殿は、その場にふさわしいお話しなどをしばらくなさってから、殿上の間に参られた。例年通りの正月の儀式などがあり、いかにも当世風の趣である。
上の御局の有様をご覧になるにつけても、京極殿においでの姫君方も、いずれこのようにとお考えのことと思われる。

さて、中宮(彰子)のご様子が、いつもとはご気分がよろしくないということで、お食事もお召し上がりにならない有様なので、大げさに騒ぎ立てるようなことはなさらないものの、ご用心なさって、十二月をお過ごしになられた。
正月になっても同じようなご様子で、とても眠くなったりなさるので、帝(一条天皇)がお見えになられて、「昨年(コゾ)の十二月に例のことがなかった。この月もないままに二十日ほどにもなったので、『気分がいつもと違う』とおっしゃるようだ。私には分らないが、普通ではないのだろう。大臣(道長)や母君(倫子)などに申し上げよう」と仰せになると、中宮は、とんでもないことを、と恥じらっていらっしゃるので、殿が参内なさった時に、「さてさて、何もご存じありませんか」と申されたところ、中宮はひどく恥ずかしそう思われている。

「いったい何事でございましょう」と殿が申し上げると、帝は、「中宮はお体が普通ではないと、おわかりになりませんか。いつもは全くお寝にならず、まるで忠実な宿直のようにお見えなのに、この頃は、よほどの事でもない限りお目覚めにならないようです」と仰せになった。
殿は、「少しばかり面やつれなさっているようにお見受け申したものの、そのように承ることもございませんでしたが、それでは、仰せのようにご懐妊なのでしょうか」と申し上げると、さっそく、大輔命婦(彰子付きの古参の女房)を内密に呼んで訊ねられると、「十二月と十一月の間に例の事はおありでした。この月はまだ二十日でございますので、今しばらく様子を見てから御前(道長)にお知らせ申し上げようと思っておりました。ところが、お食事もなさらなくなり、このように御気分も悪そうになさっておいでです。殿に申し上げましょうと啓上いたしましたところ、『とても仰山に大騒ぎなさるでしょう。しばらくはお耳に入れないように。本当に苦しくなれば、その時に』と仰せになられますので」と申し上げるので、殿の御前は何となく御目に涙を浮かせなさるのも、御心のうちでは、御岳詣でのご利益であろうと、しみじみと嬉しくお思いであろう。

司召(ツカサメシ・正月の除目)などと言っているうちに、この月も過ぎると、中宮のご懐妊の御事が、確実のこととなられた。殿の上(倫子)も、その日のうちにお聞きになると、すぐに参内なさって、なおいっそう大切においたわりになり、お気づかいながらお世話なさっている。 

     ☆   ☆   ☆

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