雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

お雛さま

2024-03-03 19:17:10 | 日々これ好日

       『 お雛さま 』

    今朝は 当地も氷点下となり 霜が降りた
    日中は日差しがあり 大分温かくなった
    今しばらく 春は 顔を出したり隠したりのようだ 
    今日は ひな祭り 特別なことはしなかったが
    白酒をいただき ひなあられをいただき ちらしずしをいただき
    無事息災を 感謝しながらの 穏やかな一日だった

                   ☆☆☆
   

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現世で罪を蒙る ・ 今昔物語 ( 20 - 28 )

2024-03-03 07:59:55 | 今昔物語拾い読み ・ その5

      『 現世で罪を蒙る ・ 今昔物語 ( 2 - 28 ) 』


今は昔、
大和国[ 欠字。郡名が入るが不詳。]郡に住む一人の男がいた。生まれつき猛々しく、哀れみの心など全くなかった。ただ、昼も夜も生き物を殺すことを好み、それを仕事としていた。

ある日のこと、その男は野に出て、兎を捕らえて、生きながら兎の皮を剥ぎ、死骸を野に棄てて置いた。
その後、この男は幾ばくも経たないうちに、悪性の瘡が身体中に広がり、膚がひどく爛れ、痛み苦しむこと限りなかった。医師を呼んで、薬で治療したが治ることなく、数日経って、遂に死んでしまった。
これを見聞きした人は、「これは他でもない。あの兎を殺したことによって、現世でその報いを蒙ったのだ」と言って謗(ソシ)った。

これを思うに、殺生は人にとっては遊びや戯れに過ぎないが、生類が命を惜しむことは人間にも勝る。
されば、自分の命を惜しむのは、生き物も同じだと思って、絶対に殺生は止めるべきである、
となむ語り伝へたるとや。

     ☆   ☆   ☆

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