雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

最年少新人王

2018-10-18 19:28:09 | 日々これ好日
        『 最年少新人王 』

     将棋の藤井七段 またまた快挙
     新人王戦の最年少優勝記録を 31年ぶりの更新とか
     藤井七段の場合 今さら驚きもしないというほどの 記録更新づくめだが
     他にも オセロでも 若いというより 幼いと表現したいほどの
     世界チャンピオンが誕生している
     珠算や百人一首の大会などを見ても どのような脳を持っているのかと思ってしまう
     きっと 同じ人間なのだとは思うのだが・・・

                             ☆☆☆
     
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うらやましい女

2018-10-18 08:08:07 | 麗しの枕草子物語
          麗しの枕草子物語
                 うらやましい女

一念発起しましてね、稲荷に詣でることにしましたの。
中の御社のあたりが急坂になっていましてね、それで苦しくなってきたのですがやせ我慢を張って登っていますと、後ろの方から、何の苦もないように、私をどんどん追い越して行くのですよ。ほんとに皆さん、ご立派なものです。

二月の午の日に、明け方早くから出掛けてきたのですが、坂の半ばまで歩いた頃には、もう巳の時(午前十時頃)頃になってしまいました。二月だというのに、ぼつぼつ暑くもなってきますし、胸も苦しくなってきて、
「どうしてなの・・、こんなに暑くならない日もあるでしょうに、なぜ今日詣でることにしたのだろう」
と、情けなさに涙まで流して坐り込んでいますと、四十を幾つか超えていると見える女が、壺装束などはしておらず、裾をからげただけの格好で、
「私は、一日で七度詣でるのです。もう三度詣でましたから、後の四度など大したことでもありません。未の頃(午後二時頃)には帰れるでしょう」
などと、出会った人に話しかけて、下って行きました。
普通の場所であれば、気に掛けることもない女ですが、この時ばかりは、
「この女の身の上に、今すぐなりたい」
と、思いましたよ。ほんに、情けないことですが。


(第百五十一段・羨ましげなるもの、より)
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