雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

花火を楽しんでいます

2018-10-06 18:29:29 | 日々これ好日
        『 花火を楽しんでいます 』

     今 花火を楽しんでいる
     テレビで放送されているものを 茶の間でのんびりと   
     今年は テレビて花火を見る機会が多かった
     もう 夏というには 遅い時期だが 今夏最後かもしれない
     そういえば 実際に花火大会を見たのは いつだったかなあ

                          ☆☆☆
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天女ではございませんが

2018-10-06 08:21:09 | 麗しの枕草子物語
          麗しの枕草子物語 
                天女ではございませんが

故関白殿の服喪の頃のことでございます。
六月つごもりの大祓の神事ということで、中宮さまは内裏を退出されることになりましたが、職の御曹司は、方角が悪いということで、太政官庁の朝所(アイタドコロ)にお渡りになられました。

その夜は、暑いし、真っ暗な闇夜で、とても狭くて不安な気持ちで夜を過ごしました。
翌朝、庭に出て建物の様子などを見てみますと、全体がとても低く、瓦葺きで、唐風でもあり、登花殿などとは大分違います。格子などもなく、御簾ばかりが懸けられています。
ただ、それがかえって珍しく、情緒もありますので、女房たちは庭に出るなどしてはしゃいでいます。

時をつかさどる陰陽寮などがすぐ近くなので、時を告げる鼓の音が、いつもとは違って聞こえてきますので、その音に誘われて、若い女房たち二十人ばかりが、そちらへ行き、階段を使って陰陽寮の高楼に登っています。
その様子を見上げますと、全員が、薄鈍色の裳や唐衣、同じ色の単襲、紅の袴などを着ていて、列をなして階段を上っているものですから、「天女だ」とまでは申しませんが、「天より舞い降りたのか」と見えるほど、見事な光景でしたわ。


(第百五十四段・故殿の御服の頃、より)
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