私には1歳違いの兄が
います。
小学生の時、先生が皆に 「 尊敬する人は誰ですか?」 と 訊ねたことがありました。
皆が「 お父さん 」 「 お母さん 」 「 王選手 」 などと答える中、
私は 迷うことなく、「 お兄ちゃん 」 と 答えました。
兄は、作文を書けば 市の文集に掲載され、絵を描けば 市の展覧会に出展される という子でした。
詩を書き、曲を作り、歌を歌い、漫画を描き、小説を書き、工作も得意……。
私には 文才も画才も無く、先生達から 「 あの子の妹なのだから…」 と期待されても、大抵ガッカリさせていました。
そんな周囲の反応をプレッシャーに感じることなく、誇らしげに兄を自慢する私…。
私が兄を尊敬しはじめたのは、小学校2年生の時でした。
隣町まで一緒に自転車で行った帰り、知らない道になってしまいました。
どんどん日が暮れてゆき、私は 泣きそうになりながらも、兄を信じて走ること十数分……知っている道に出た時に、「 お兄ちゃんて凄い!」 と思ったのでした。
こんな単純なことでしたけれども、それ以来 私は今でも兄を尊敬し続けているのです。
兄は今、パッケージデザイナーをしていますので、巷には兄の作品がチラホラと……今日も誰かが 手にしているかもしれません。
コンビニエンスストアや
スーパーマーケットや
SHOP99 を 覗いて
みて下さいね。
兄は自分の作品が世の中に出ると 2つ買って来て、
無言で母に渡します。
1つは母と父に…1つは私に…。
ですから実家から送られて来る荷物の中には、
兄の作品が幾つも入っています。
私は その空き袋をファイリングしています。
…ブラザーコンプレックス・重症……。