Ring☆Rang☆Rung!

ばかわいらしいもの・お人形・手作りetc.…そこはかとなく綴っています…

ピーターパンの色眼鏡…

2012-02-21 12:33:49 | 日記・エッセイ・コラム

 あれは、そう…古の昔…

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Photo_2 みすず 9歳。

 小学校4年生。

 

 

 

 

 人見知りで引っ込み思案、ごくごく普通な子…。

 

Photo_4 この春、

 担任になったのは、

 M木先生。

 

 

 

 背筋のピッと伸びた、厳しいお顔立ちの、年配の婦人です。

 キッと寄せられた額の皺、ギュッと結んだへの字口、ギロリと睨む大きな眼にキラリと光る金縁メガネ…。

 

Photo_3  何か、怖いね…。

  うん…怖いよね。

 

 

 

 

Photo_5  俺、怒られっぱなしの

   一年間になるかも…。

  そ…そうかもね…。

  うわぁ、気の毒~。

 

 

 M木先生は、初めての挨拶で こんなことを言いました。

 「 先生の眼鏡は、ピーターパンから貰ったのよ♪」

 

Photo_8  わぁ、素敵~

 

 

 

 

 

Photo_6 みすず 9歳。

 小学校4年生。

 

 

 

 

  ネバーランドは何処かに在る。 と信じたい、想像力豊かな子…。

 そして、この “ ピーターパンの眼鏡 ” は、M木先生のお得意のフレーズで、その後もことある毎に登場しました。

 確か、5月頃だったでしょうか…国語の授業で作文を書くことになりました。

 お題は自由です。

 私は、M木先生の眼鏡について書くことにしました。

  先生の眼鏡はピーターパンから貰った眼鏡です。何でも見えちゃう素敵な眼鏡。私もいつかピーターパンから貰えるといいなぁ。

 …とか何とか…。

 おべっかでも、点数稼ぎでもなく、ただ単純に憧れて書きました。

 

Photo_7 無邪気に、

 でも 真剣に…。

 作文なのに

 絵も添えたりして…。

 

 

 後日、返ってきた私の作文には、先生の感想が添えられていました。

 「 先生の眼鏡は特別な眼鏡です。みすずさんも一生懸命勉強すれば、貰えるかも知れませんよ。もっと頑張りましょう。」

 …とか何とか…。

 

Photo_9  ………。

 

 

 

 

 

 ピーターパンというファンタジー溢れる世界観と比べると、実に夢のない現実的な話ではありませんか…。

 

Photo_12  何だかガッカリ…。

 

 

 

 

 

 日が経つにつれ、M木先生のお気に入りは “ 品行方正・成績優秀な生徒だけ ” ということが判明しました。

 

Photo_13 「 この問題が

  解ける人?」

 

 

 

 

Photo_14  ハイッ!ハァ~イッ!

  ハイッ!

  ハーイ!

  …ハイ…。(当てないで~)

 

 

Photo_16 「 はい、N君。」

  ………。

  良かった…。

 

 

 

 授業中の質問や解答も、先生が指すのは決まった子ばかり…。 

 

Photo_18 「 今回の作文の優秀賞は、

  Sさんです。」

 

 

 

 

 褒めるのは いつだって良い子で、腕白小僧とかお調子乗りの賑やかな子が大嫌い。

 地味で目立たない普通の子も、ほとんど相手にされません。

 

Photo_11  普通の子は

  嫌いなんだねぇ…。

  うん…。

 

 

 

Photo_17  俺なんか、

  完全に無視だぜ…。

 

 

 

 

 その後、M木先生が 「 先生の眼鏡はピーターパンから貰ったのよ♪」 という度に、私はコッソリこう思うのでした。

 

Photo_19  ピーターパンから

  先生が貰ったのは、

  色眼鏡だったんだね…。

 

 

 

Photo_10 ………。

 

 

 

 

 

Photo_20 みすず 9歳。

 小学校4年生。

 

 

 

 

 “ 先生も人の子 ” と知らされた一年間でした…。