恩師のご著書「真理を求める愚か者の独り言」より
第五章 心の曇りをとるための反省
反省とは自分を離れてものを見る訓練
先の続き・・・
この時は自分の思いを離れて、第三者的な目から見て判断し、
神様に自分の想念をあずけて心静かに祈り、
その中から出て来る正しい直感にしたがうのが最もいいでしょう。
自分がなんとかしなくてはという焦りや力みがあれば、
必ず間違います。
そして、せっかく助けてあげたのに、
あの人はなんて恩知らずなんだなどと
不平不満や愚痴が出て来ます。
どうしても私たちは自分中心でものを考えがちですが、
肉体の五官にとらわれた見方から、
自己を離れた正しい見方に変えていく訓練を積むことが大事です。
常に「してあげる」とか「してやる」というにではなく、
「させていただく」とか「させてもらう」という心で行うことです。
「あげる」「やる」ではたとえ善いことをしても、
文字どおり徳を逃がしてしまいますが、
「いただく」「もらう」という心構えだと、
善い行いは自分自身の徳として積まれることになり、
それがまた自分の霊格を高め、
運命としてもいいことが万倍にもなり、
自分に返ってくることになります。
ですから、「させていただく」という態度を常に忘れなければ
大きな間違いはありません。
こうした謙虚さは、いつも感謝に満ちた心でいることにも
つながってきます。
ご夫婦の間でもそうです。
ご主人は一生懸命に働いて稼ぎ、奥さんは結構に暮らさせてもらって、
それでいながら、「私は嫁さんだから主人が養ってくれるのは当たり前」と、
感謝をしないでいると、ご主人がありがたい存在だということを
忘れてしまいます。
もちろん、ご主人にも同じことが言えます。
奥さんが家庭の中で掃除、洗濯などの家事、そして留守中のおつきあいなど
いっさいをやってくださり、ご主人はそれに大いに助けられているのに、
それを「おれが働いて不自由な目にも遭わせず養ってやっているのに、
毎日何をしているのか」などと奥さんに対して好き勝手な
言葉を吐いたらどうでしょうか。