浄心庵・長尾弘先生「明来闇去」

 ~ 誰れもが幸せになれる御教え ~

明来闇去

2021-03-27 00:30:54 | 明来闇去
 
  恩師のご著書「思いの中に生きる」より

            「先祖供養」について(その1)


ある宗教はご先祖様を大事にすることを強調しています。
これはいいことですね。
ところが、仏壇の中へご先祖様のとまっていただく位牌、
先祖様のとまり木を作らなければならないといっています。
これはご先祖供養の本当の意味が理解されていないのです。
もし、私たちがこの世を去りまして、

仏壇の中の位牌のような所へとまってしまいますと、
成仏はできません。
とまり木、そんな所へとまらされたら大変です。
私たちは素晴らしい光輝く天上の世界、
光明燦然と輝く喜びと安らぎと調和に満たされた世界へ
帰ってこそ本当の成仏ができます。
それはこの三次元の世界とは全く質の違う世界ですね。

私たちはその世界からこの地上の世界へ自分の魂の
修行に出させてもらっています。
ですから、実践といいましても、ご先祖供養というと、
拝みなさい、ものを供えなさい、
護摩を焚きなさい、あるいはいい戒名を付けなさいと
いうことになりますが、

これらはあくまでも供養の手段でしかないのです。
では、目的は何かです。
極楽の世界へ帰ってもらうことこそ本当の目的のはずですね。
この世界に思いを残しますと、その思いによって
自分の心がその場所にとどまります。

私は死んだら仏壇の中に祀ってもらう、あるいは、
このお墓の中に入れてもらうと思っておりますと、
必ずその場所に行ってしまいます。
その場所は極楽とはほど遠い場所です。
極楽は素晴らしい世界です。

その極楽へ帰っていただくことが、
私たちが先祖供養させていただく究極の目的のはずですね。
また、「慰霊(霊を慰める)」あるいは「鎮魂(魂を鎮める)」
「除霊」とかいろいろありますけれども、
「救霊(霊を救い上げる)」という言葉はあまり聞きません。
どの宗教もあまり説いておられませんね。

「救霊」すなわち霊を救い上げてしまうのが本当の供養の目的です。
それを知らなかったから、供えなさい、祀りなさい、
拝みなさい、ということになるのです。
ひどい所になりますと、あるお宅へ寄せていただきましたら、
お仏壇に、大きなお仏壇ですけど、
湯呑みが四十個も供えてあるんですね。
それにお茶を入れて、毎日お茶湯されています。

また、あるお宅へ行きますと、
大きな丼茶碗に何杯もお茶を供えてあるんです。
丼茶碗です。
「これ、何しているんですか」と聞きますと、
「これ、ご先祖さんにお茶を飲んでもろてますんや」とのこと。
なるほど大きな丼茶碗あるいは四十個の湯呑みをずーっと並べまして、
お茶をなみなみとついで供えていますけれども、
私たちのご先祖様はそんなに少なくないんです。


最新の画像もっと見る