~ 恩師の御講演「ブッダのことば」より ~
第一 蛇の章
十二、 聖者
207、親しみ慣れることから恐れが生じ、
家の生活から汚れた塵が生ずる。
親しみ慣れることもなく家の生活もないならば、
これが実に聖者のさとりである。
208、すでに生じた(煩悩の芽を)断ち切って、
新たに植えることなく、
現に生ずる(煩悩)を長ぜしめることがないならば、
この独り歩む人を(聖者)と名付ける。
かの大仙人は平安の境地を見たのである。
209、平安の境地、(煩悩の起こる)基礎を考究して、
そのためを弁え知って、
それを愛執する心を長ぜしめないないならば、
かれは、実に生を滅ぼしつくした終極を見る聖者であり、
妄想をすてて(迷える者の)部類に赴かない。