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『ゴースト・スクール』

2013年11月20日 | 映画(か行)
『ゴースト・スクール』(原題:Promoción Fantasma)
監督:ハビエル・ルイス・カルデラ
出演:ラウール・アレバロ,アレクサンドラ・ヒメネス,アンドレア・ドゥーロ,ハイメ・オリアス,
   ハビエル・ボダロ,アンナ・カスティーリョ,アウラ・ガリード他

先月末よりDVDレンタル開始。

スペイン発のホラーコメディで、本国や中南米で大ヒットしたそうな。
日本では“スクリーム・フェスト スペイン2013”と題し、
ヒューマントラストシネマ渋谷にて、9月から10月にかけて週替わりで4作品を上映。
「戦慄の4作品に悲鳴するスパニッシュ・ダークナイト企画」となっていますが、
たぶんこれだけは悲鳴なし、笑ってじんわり爽やか涙の1本でした。

男性教師のモデストは、幽霊が見えるという特殊能力の持ち主。
幽霊が普通の人間と同じように見えるものだから、
ついつい幽霊に話しかけてしまい、それが周囲に混乱を招く。
彼の言動が怪しまれ、地区の公立高校はすべてクビに。
本人もきっとこれは病だと自覚し、精神科医のもとへ通っている。

しかし、職に就かなければ生活することができない。
モデストはあちこちで解雇された事実を隠し、私立のモンフォルテ校に応募する。

さて、モンフォルテ校は古い歴史を持つ名門校だが、幽霊騒ぎが頻発。
校内では超常現象が起き、幽霊に驚いた教師が次々と辞職、
ついには窓から飛び降りる教師まで出てきて(死には至らず)、
教育委員長からこの騒ぎを鎮めなければ廃校にすると言い渡されていた。
校長だった偉大なる父親の亡き後を継いだ娘で現校長のティナは、
なんとかならぬものかと頭を悩ませつづけている。

そこへ応募してきたのがモデスト。
すばらしい経験を書き連ねられた偽りの履歴書に騙されてティナは採用。
ところが校内でさっそく幽霊を見かけたモデストは、
またしても解雇されるのは御免だと、ティナに辞めると申し出る。

モデストが何を見たのかはわからないが、
きっと他の人には見えないものが彼には見えたはず。
幽霊騒ぎも彼ならば原因を突き止めてなんとかしてくれるのではないか。
そう直感したティナはモデストを必死で引き止め、事情を話す。

1986年、校内でパーティー開催中に図書室で火災が起きた。
大音量の音楽に悲鳴はかき消され、図書室に閉じ込められた生徒5人が死亡。
どうやら騒ぎを起こしているのはその5人で……。

5人が居着いているのは高校を終われなかったから。
そう考えたモデストは、火災をきっかけに閉鎖されてしまった旧図書室で、
幽霊生徒5人を相手に授業を開始します。

ダニー(♂)、ホルヘ(♂)、ピンクフロイド(♂)、アンヘラ(♀)、マリヴィ(♀)は、
個性豊かでそれぞれにいい味を出しています。
本の虫で優等生のアンヘラに、当時まもなく出産予定だった妊婦のマリヴィ、
マイケル・ジャクソンをこよなく愛するピンクフロイドは、
火災に遭ったときに酔っぱらっていたものだから、今も酔っぱらったまま。
ホルヘは霊界と通じたいゴス女子と恋に落ち、
悪ぶるダニーも毎日廊下で授業を聴いているがゆえに実は物知り。

モデストが通う精神科医の部屋に居座るのは、自殺したその父親。
彼のアドバイスがいろいろと可笑しく、
ちっとも怖くない幽霊たちに笑わされます。

「ネクラとかお熱とかなんて言葉は死語だよ」という台詞にも笑い、
1986年とのギャップも楽しめて破顔。
教師や生徒をからかう幽霊生活に満足していたはずの5人、
やはり昇天できないのは未練があるから。
恋をして、音楽を聴いて、歌いたい。ディスコにも行きたい。みんなで勉強したい。

流れる曲はボニー・タイラーの“Total Eclipse of the Heart”。
く~、懐かしい!

最近DVDで観たなかではピカイチ。オススメです。

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