夜な夜なシネマ

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『サイド・エフェクト』

2013年09月21日 | 映画(さ行)
『サイド・エフェクト』(原題:Side Effects)
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジュード・ロウ,ルーニー・マーラ,キャサリン・ゼタ=ジョーンズ,
   チャニング・テイタム,アン・ダウド,ヴィネッサ・ショウ他

友だち3人と昼間から呑むために休みを取っていた日、
諸般の事情でうち2人が来られなくなり、延期決定。
というわけで期せずしてフリーとなったのは映画の割引は何もない木曜日だけれど、
手持ちのチケットやメンバーズカードを駆使することに。

あまり劇場へ足を運べない日が続いていたので、観たい作品が目白押し。
観られる可能性のある作品をすべて書き出し、車で梅田へ。
ぎりぎりまでどれにするか迷い、とりあえず新梅田シティの駐車場へ。

そこからスタコラ歩いて、まずは大阪ステーションシティシネマへ。
本日公開の『凶悪』の前売り券を購入するためだけに寄り、
それからTOHOシネマズ梅田にて、自宅近くでは上映していない本作を鑑賞。

スティーヴン・ソダーバーグ監督最後の劇場映画という触れ込みですが、
本当にもう撮らない気なのかともったいなく思うほどおもしろい。

望むものをすべて手に入れ、夢のような暮らしを送っていた女性エミリー。
しかし、最愛の夫マーティンがインサイダー取引で捕まり、状況が一変。
エミリーは鬱病に苦しみ、マーティンが出所してすぐに自殺を図る。

エミリーを診察した精神科医ジョナサンは入院を勧めるが、
夫に心配をかけたくない彼女は、ちゃんと診察に通うことを約束して退院。
約束どおり週に数度診察に訪れるようになったエミリーは、
どの薬も効かないから新薬アブリクサを試してみたいと言う。

ところが、アブリクサを処方されてから、エミリーは夢遊病を発症。
帰宅したマーティンに夢遊の状態でナイフを突き立て殺してしまう。

目覚めたエミリーは自ら通報、刺殺には覚えがない。
しかし、ナイフにはエミリーの指紋だけ。殺人容疑で逮捕される。
彼女は殺人者か、はたまた薬の被害者か。
窮地に追い込まれたジョナサンは、独自の調査をはじめるのだが……。

観に行くご予定のある方はこの先を読まないでください。

手の湿疹のことで読んだ本に、医師がステロイドを否定してしまうと、
病院経営が成り立たなくなると書いてあったのを思い出します。
新薬を患者に処方することで、医師は金を貰う。
ジョナサンは善意の人と見えて、そういった状況もきちんと患者に説明します。
あなたに処方することで私は製薬会社から金を貰います。それでもいいですかと。
私は金を貰うけれど、あなたは薬代を払わなくて良いのですと言われたら、
そうしますということになりますよね。

そんな話も絡めつつ、しかし、本作で怖いのはとにかく女。
新薬の副作用で犯罪が起きたと見せかけ、株で儲ける女医ヴィクトリア。
ヴィクトリアの話に乗って鬱病のふりを完璧にこなすエミリー。
この2人のレズシーンはやりすぎやろと笑いましたけれども。

『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)のリスベット役もハマっていたルーニー・マーラは、
めちゃ可愛い顔をしているだけに、そのしたたかさが余計に怖い。
いいところは何もなし、あっけなく殺されてしまうチャニング・テイタムは、
同監督の『マジック・マイク』つながりの友情出演というところでしょうか。

男が嘘をつくことを覚えるのと同じように、女は騙すことを覚えると。
嘘をつくのと騙すのと、同じようで同じじゃないのかなぁなんて思いつつ。
嫌な話ではありますが、いやはや、おもしろかったです。

そういえば、ジュード・ロウ演じるジョナサンが連続勤務のお疲れ時に飲んでいたのは、
やっぱりレッドブルでしたね。
まるで寝不足で映画をハシゴするときの私のようです。(^^;

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