『ホテル・ムンバイ』(原題:Hotel Mumbai)
監督:アンソニー・マラス
出演:デヴ・パテル,アーミー・ハマー,ナザニン・ボニアディ,
ティルダ・コバン=ハーヴィー,アヌパム・カー,ジェイソン・アイザックス他
日曜日の定刻夕食16:00を終えてから、
どうしてももう1本観たくて109シネマズ箕面へ。
インドで起きた同時多発テロを基に映画化。
2008年11月26日。
彼らは同時多発テロを目論んでおり、
標的となったのは多くの人が利用する駅、カフェ、ホテルなど。
5つ星ホテルのタージマハル・ホテルの従業員アルジュンは、
この日レストランのフロアサービスを担当していたが、
銃声を聞いてすぐに消灯に走り、テロリストたちに気づかれぬようにする。
ムンバイには特殊部隊が置かれておらず、
現地の警察はこのような事態に面したことがないから及び腰。
デリーから特殊部隊がこちらに向かうらしいが、いったいどれだけかかるのか。
ホテルから出られずにいる宿泊客と従業員は500人以上。
テロリスト集団は1部屋ずつ回り、誰かを見つけるや否や無慈悲に殺害。
とりあえずは安全な部屋へ。
アルジュンや料理長オベロイをはじめとする従業員らは、
テロリストたちの目を盗み、6階のラウンジへと移動するのだが……。
オーストラリア/アメリカ/インド作品です。
ハリウッド映画ほど派手でないとはいえ、娯楽の要素が強い。
けれどもテロの話だと思うと笑うことは許されない気がして。
テロリストの若者たちは、ただボスの言葉を信じて動いているだけで、
彼らには彼らなりの事情や理由があると言いたげ。
その気持ちに寄り添いたくはないのです。
ロシア人のセレブ役にはジェイソン・アイザックス、
料理長役のアヌパム・カー、みんな良いんです。
特に料理長なんて、裏口から帰りたいという従業員を止めない。
「出て行きたい者は出て行ってかまわない。出て行くことは恥ではない」と
実に優しく声をかけます。ほとんどが帰らないのはそりゃもう感動的。
ただ、もっと淡々と描いてもよかったんじゃないかと思うし、
逆に『パトリオット・デイ』(2016)のようにテロに立ち向かう、
アメリカ万歳的な娯楽作品ならば割り切って楽しめたかもしれません。
本作は楽しいと言うとバチが当たりそうで微妙。
面白くて退屈するひまはなかったけれど、
どういう思いで観るべきなのか困る、そんな作品でした。