夜な夜なシネマ

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『パリに見出されたピアニスト』

2019年10月07日 | 映画(は行)
『パリに見出されたピアニスト』(原題:Au Bout des Doigts)
監督:ルドヴィク・バーナード
出演:ランベール・ウィルソン,クリスティン・スコット・トーマス,ジュール・ベンシェトリ,
   カリジャ・トゥーレ,エルザ・ルポワーヴル,アンドレ・マルコン,ミシェル・ジョナス他
 
フランス/ベルギー作品。
当たっても行けないと思いつつ試写会に応募したら当たりました。
飲み友だちのお姉さまにピンチヒッターとして行っていただき、
その10日後、テアトル梅田で普通に有料鑑賞。
 
パリ郊外の低所得者層が暮らす団地。
マチューは母親とまだ幼い弟妹との4人暮らし。
不良仲間とつるんで盗みを働くなどしている。
 
そんなマチューが仲間に秘密にしていることがある。
それはピアノを弾くのが大好きだということ。
幼い頃、別の部屋から聞こえるピアノの音色に惹かれるままにたどり着き、
ひとり暮らしの温厚な老人ジャックからピアノを習っていた。
マチューは驚異的な記憶力と絶対音感を持つ天才なのだ。
 
ピアノを見ると弾かずにはいられないマチューは、
パリ北駅に置かれているピアノを弾くときが何よりも幸せ。
そんな彼を偶然見かけて驚いたのが、
パリの名門音楽学校コンセルヴァトワールディレクター、ピエール。
思わずマチューに話しかけ、とにかく連絡をくれと名刺を渡す。
 
ある日、盗み目的で豪邸に押し入ったマチューは、
グランドピアノに魅入っていたせいで逃げ遅れ、警察に捕まる。
実刑を回避するためにやむをえずピエールに連絡したところ、
公益奉仕としてコンセルヴァトワールでの清掃を条件に釈放される。
 
コンセルヴァトワールは長らく国際大会での優勝者を出しておらず、入学希望者は減る一方。
ディレクターのピエールの力量を問われて崖っぷち。
マチューの才能を信じて疑わないピエールは、彼を大会に出場させると決めるのだが……。
 
「音楽×映画」が大好きです。
それがピアノだったりすると、もう絶対に外せない。
ピアニストの映画でも、期待するほど演奏シーンがなくてがっかりすることもありますが、
これはレッスンシーンも含めて堪能しました。
 
マチュー役のジュール・ベンシェトリは、
おじいちゃんもおばあちゃんもお母さんも俳優、お父さんは映画監督。
お母さんとは死別して、お父さんが最近ヴァネッサ・パラディと再婚。
つまりジュールの義母がヴァネッサで、
ヴァネッサと元夫ジョニー・デップの娘とは義兄妹という、
もう何が何だかわからないけど、とにかく映画界の名家出身。
確かに品のある顔立ちで、不良のはずが不良に見えないのが難点(笑)。
 
原題の“Au bout des doigts”は、パリ北駅のピアノの上に掲げられている言葉。
直訳すると「あなたの指先で」。
指先から世界が広がる。夢はあきらめたらおしまい。あきらめなければ叶うのかも。
 
ピエールから借りたジャケットを着て大会に出ていましたが、
いつも練習するときは上着を脱いでいるのに、
かさばって指が動かせないのではという心配は要りません?(笑)

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