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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『愛なのに』

2022年03月31日 | 映画(あ行)
『愛なのに』
監督:城定秀夫
出演:瀬戸康史,さとうほなみ,河合優実,中島歩,向里祐香,丈太郎,毎熊克哉他
 
アップリンク京都で4本ハシゴの〆。
 
今泉力哉監督と城定秀夫監督がそれぞれ脚本を書き、
今泉監督の脚本で城定監督が、城定監督の脚本で今泉監督が撮るという試み。
R15+指定のラブストーリーを競作するプロジェクト“L/R15”の1本です。
 
今泉監督作品のファンなので、『猫は逃げた』のほうを先に観ました。
とてもよかったのですけれど、こっちのほうがもっとよかった。
城定監督の手腕によるところは大きいと思いますが、
私はやっぱり今泉監督の脚本が好きなのではないでしょうかね。
 
古書店を営む多田浩司(瀬戸康史)は30歳、独身。
かつてのバイト仲間・一花(いっか)(さとうほなみ)に告白してフラれてからずいぶん経つのに、
いまだに彼女のことが忘れられずにいる。
 
ある日、古書店にやってきた女子高生・矢野岬(河合優実)がおもむろに万引き
岬は逃げながら多田が追いかけてくるのを確認し、
息が上がって立ち止まった多田にミネラルウォーターのボトルすら差し出す。
 
やっと岬をつかまえて話を聴いたところ、
岬はかねてから多田に想いを寄せており、自分を認識してもらいたくて万引きしたらしい。
そしていかに多田のことを好きかを語り、「結婚してほしい」とまで言う。
 
女子高生とつきあうなんて下手したら犯罪で捕まる。
それに自分には忘れられない人がいるのだと多田は断るが、
岬は以降も足繁く古書店に通い、多田にラブレターを渡し続ける。
 
一方、一花は亮介(中島歩)という男との結婚を控え、式の準備に没頭中。
担当ウェディングプランナー・美樹(向里祐香)と亮介が浮気していることにも気づいておらず……。
 
この日ハシゴした4本中、3本はひとりで観ましたが、
最後の1本だったこれだけ、晩ごはんをご一緒する人も合流して鑑賞。
すでに後期高齢者である彼女に「R15+指定の映画やけど」と伝えたら、
「R指定の映画って生まれて初めて観るかも」とのこと。
R指定の映画っちゅうたってたいしたことありませんけど、簡単に言うと、
エロの部分では「女性の乳首が映るかどうか」がR指定になるかどうかの境目だと私は思っています(笑)。
 
そういう意味では『猫は逃げた』も本作も堂々のR指定作品。
さとうほなみと向里祐香、両者の脱ぎっぷりがとても良い。
でもエロだからと敬遠する人がいるとしたらもったいない、ユーモアに溢れる良作でした。
 
もっと歳の近いカッコイイ男子がおるやろに、わざわざ30のオッサンを好きにならなくても。
でも岬の恋心が可愛くて、多少強引なところも憎めなくて、ニッコリしてしまう。
多田は一花のことが忘れられないくせに、亮介の浮気を知った一花から
「同じことをしたいから、して」と言われて思いっきり怯みます。
「最悪だ」と言いながら事に及ぶ姿が滑稽でありながら痛々しくて、これも笑う。
 
笑いすぎやろと言いたくなる男性客にも引っ張られて笑ってしまったところ多数。
劇場内の雰囲気もとてもよかった。笑いが伝染する作品は大好きです。
 
『猫は逃げた』の主演のひとり、毎熊克哉が多田の友人としてゲスト出演。
また、あの逃げた猫カンタが本作にも古書店周辺をうろつく猫として出ています。
 
たぶん、今年の終わりになっても「よかったな~」と振り返る作品だと思う。
愛を馬鹿にするな。

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