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『ファイティング・ファミリー』

2019年12月14日 | 映画(は行)
『ファイティング・ファミリー』(原題:Fighting with My Family)
監督:スティーヴン・マーチャント
出演:フローレンス・ピュー,レナ・ヘディ,ニック・フロスト,ジャック・ロウデン,
   ヴィンス・ヴォーン,ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソン他
 
29回目の『ボヘミアン・ラプソディ』を鑑賞した後、TOHOシネマズなんばへ。
終映してしまいそうで心配だった本作を観逃してたまるかとレイトショーにて。
 
プロレスの映画って面白いですよねぇ。なんか客層が違う。
特に後者はいかにもプロレスファンという人だらけで、
素人の私は目が点になるほどでした。
本作のレイトショーにもそんな人が多くて、心底楽しんでいる様子。
プロレス映画は劇場で観るに限ります。絶対楽しさが倍増する。
 
さて、本作は実話に基づく作品です。
アメリカのメジャープロレス団体WWEで活躍したイギリス出身の女子プロレスラー、
ペイジのデビューまでを綴った伝記コメディ。
父親役がニック・フロスト、WWEの鬼トレーナー役をヴィンス・ヴォーン
そのうえ、今は誰もが知るハリウッドスターとなった元WWEのスター、
ドウェイン・“ザ・ロック”・ジョンソンが脇役で出演しているのですから、
面白いことは約束されたようなもの。期待に違わず面白い。
 
イギリス北部ノーウィッチに暮らすナイト家はプロレス一家。
プロレスをこよなく愛する父親リッキーと母親ジュリアはプロレス団体を営んでいる。
弱小団体ながら地元のプロレス好きに愛され、
子どもたちにもプロレスのレッスンをおこなって大人気。
そんな家庭に生まれた息子ザックと娘サラヤもプロレス好きに育ち、
ふたり揃っていつかは世界で活躍する選手になることを夢見ている。
 
ザックとサラヤのデモテープをWWEに送り続けていたところ、
やっとWWEのトライアウトに参加する権利を得る。
当日、多数の参加者のなか、トレーナーのハッチ・モーガンが合格させたのはサラヤのみ。
 
ザックが不合格であることに納得できずにいたサラヤはハッチに直談判するが、
ハッチはザックには無理だと言うだけ。
ザックを合格にしなければ自分も帰ると言ってもハッチは首を縦には振らず、
結局ザックから諭されたサラヤは単身アメリカに渡って挑戦することを決意するのだが……。
 
昔から殴り合いを見ているのはどうにもつらくて、ボクシングもプロレスも苦手でした。
特にプロレスは「イカサマ」だと思っていたから、全然好きじゃなかった。
私のその意識を変えたのは『レスラー』(2008)でした。
ずたぼろになるミッキー・ロークを見て、こんなに痛々しいイカサマがあるか。
イカサマならこんなに凄まじいことにはならない。怪我もしないだろう。
プロレスラーって、体を張って、命を懸けているんだと思いました。
 
本作でも興行のビラ配りのさいに同年代女子からイカサマ呼ばわりされて
サラヤがキレるシーンがあります。
また、ザックの恋人コートニーの両親が悪気なく「脚本があるんでしょ」と言ったときには
ナイト一家が「おのれ何を言うか」てな表情で一斉に立ち上がるシーンも。
派手に泣かせにかかるシーンはなく、とても面白くて笑えてジワッと良い。
 
しかし今さらながらドウェイン・ジョンソンってプロレスラーの中にあっては
ものすごい演技力のある人なんやなぁと驚く。
あのガタイと風貌では普通の人の役はできないでしょうが(笑)、
立派なハリウッドを代表する役者ですよね。
 
コーチ役のヴィンス・ヴォーンもいいなぁ。彼にいちばん泣かされかけた。
そして、モデルやチア上がりの綺麗なだけのお姉ちゃんたちが
どれほどの覚悟を持ってプロレスラーを目指しているのかも知らされます。
最初は彼女たちを馬鹿にしていたサラヤがあるときから打ち解けるくだりも好き。
人を見た目で判断してはいけないし、何も知らないくせして上から見てはいけない。
 
プロレスの魅力を知り、ドウェイン・ジョンソンをますます好きになる作品です。
脇役だけど、目立ってしまうのは仕方ない。(^^;

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