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『帰れない山』

2023年05月14日 | 映画(か行)
『帰れない山』(原題:Le Otto Montagne)
監督:フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン,シャルロッテ・ファンデルメールシュ
出演:ルカ・マリネッリ,アレッサンドロ・ボルギ,フィリッポ・ティーミ,エレナ・リエッティ,
   エリザベッタ・マッズーロ,ルポ・バルビエロ,クリスティアーノ・サッセッラ他
 
『ウィ、シェフ!』を観るためになんばパークスシネマまで行ったから、
1本で帰るのはもったいなくて、これも観ました。
パオロ・コニェッティの同名ベストセラー小説を映画化したイタリア/ベルギー/フランス作品。
原作はイタリア文学界の最高峰であるストレーガ賞を受賞しているそうです。
 
都会育ちの少年ピエトロは、山好きの両親に連れられて休暇を山麓で過ごすのが恒例。
山以外に何もないその村には同年代の子どもなど見当たらずひとりぼっちだったが、
ある日、牛飼いの同い年の少年ブルーノと出会う。
 
もやしっ子だったピエトロは、たくましいブルーノについて回るのが楽しくて仕方がない。
毎夏を共に過ごすようになったふたりは友情を育んでゆく。
 
しかし、成長したピエトロは父親に対する不満を募らせて家を出る。
恒例だった山麓での休暇に行かなくなったせいで、ブルーノとも疎遠に。
やがて父親の訃報が届いたのをきっかけに村を訪れたピエトロはブルーノと再会。
ピエトロが父親と会わなかった間、ブルーノが息子のごとく父親と交流を深めていたことを知る。
 
父親は山に横たわる草原を理想の地として手に入れており、
そこに家を建てることを切望していたらしい。
死んでも約束は残るからと、ブルーノは建てると言ってきかない。
ピエトロもブルーノに教えられながら一緒に家を建てはじめて……。
 
147分の長尺で、寝てしまうのは当然と思われました。
実際、途中で睡魔に襲われたところはありますが、意外と大丈夫でした(笑)。
 
何よりも大自然が美しい。
これを「自然」と呼ぶ時点で、ブルーノに言わせれば地元の人間ではないらしい。
普通に山、草原、川というふうに、当たり前の風景があるだけ。
山とピエトロとブルーノ、それだけでよかったはずなのに、
人生には恋愛なども含めていろいろなことが起こるから、それだけでは済まなくなる。
 
山に籠もるのは孤独か。そこで死ぬことは気の毒か。
ふたりにしかわからないこと。他人には理解してもらえなくてかまわない。
カラスを見て、こんな葬式もありかなと思いました。
 
やはり私は海の映画より山の映画のほうが好きなようです。

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