夜な夜なシネマ

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『真夜中の五分前』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の8本目@西宮)

2015年01月09日 | 映画(ま行)
『真夜中の五分前』
監督:行定勲
出演:三浦春馬,リウ・シーシー,チャン・シャオチュアン他

前述の『仮面ライダー×仮面ライダー ドライブ&鎧武MOVIE大戦フルスロットル』とハシゴ。
原作者の本多孝好の著作は何冊か読んでいて、それなりに面白いとは思うのですが、
洒落過ぎている感があり、あまり心に残りません。
イメージはなんとなく片岡義男系。←全然ちがったらすみません。
本作もタイトルからしてお洒落系の雰囲気が漂うがゆえに惹かれませんが、
原作の副題”five minutes to tomorrow”、すなわち「明日まで5分」というのは素敵。

上海の時計店に住み込みで働く時計修理工の日本人リョウ(三浦春馬)は、
ある日のスイミングクラブで、美しい女性に目を奪われる。
泳ぎ終えて着替えた後、彼に話しかけてきたのはその女性。

彼女はルオラン(リウ・シーシー)と名乗り、初対面の彼に買い物につきあってほしいと言う。
ルオランが誰かに贈ろうとしている結婚祝いをリョウが選ぶことになり、
見ず知らずの人への祝いの品にリョウは頭を悩ませるが、
結局、自分の店のアンティーク時計はどうかと提案する。
現物を見たルオランはただちにその時計を気に入り、感謝の意を述べて立ち去る。

後日、スイミングクラブで再びルオランから声をかけられるリョウ。
1杯飲みに行くと、そこにはルオランと同じ顔をした別人が。
それはルオランの双子の妹ルーメイ(リウ・シーシーの一人二役)。
ルーメイにはティエルン(チャン・シャオチュアン)という婚約者がおり、
リョウが選んだアンティーク時計はルーメイへの結婚祝いだった。
中国では、置き時計を贈るのは縁起が悪いこととして御法度。
そう聞かされてリョウは焦るが、ルーメイは笑って時計の礼を言う。

一卵性双生児で誰も見分けられないほどそっくり、とても仲の良い姉妹に見えたが、
ルオランは、自分が手に入れたものをすべて奪ってゆくルーメイに対して、
嫉妬の気持ちを燃やさずにはいられない。
苦しくて苦しくて、ルーメイがいなくなってしまえばいいのに、
そんなことを考えてしまう自分がいなくなればいいのにと思っていた。

リョウはルオランの苦悩を優しく受け止める。
しかし、ルオランとルーメイが出かけた先で事故が起きて……。

決して悪くはないのですが、やっぱりお洒落系。
映像は美しく、登場人物も脇役に至るまで皆、美男美女。
その根幹に蠢く嫉妬がなんだか怖い。
お洒落系だから、怖いけどなんとなく薄っぺらい。
同じ嫉妬でも『メビウス』(2013)とは段違いの浅さ。←比べるのがおかしい?(^^;

事故から生還したのはルーメイのはずなのに、
ティエルンはルオランがルーメイのふりをしているとしか思えず、リョウに判別を依頼。
そのリョウもどうなんだか判定できず、
ねぇ、今の相手のことを愛しているなら、どっちでもええんとちゃうんと思ったり。

と、文句を言ってはみたものの、それなりにはよかったです。
時計は遅れているより進んでいるほうがいいと思っていた私は、
5分遅れならば得をした気がするという話は新鮮でした。
きちんと時計を合わせることによって、これからは自分自身になれる。
そんなことを感じさせるラストシーンは素敵です。
観てから10日以上経った今もさまざまな美しい映像が心に残っています。

2本観終わって、阪急と阪神を乗り継いで福島へ。
忘年会会場の河内鴨の美味しいお蕎麦屋さんへ向かう途中、道に迷っていたら、
幹事の男子にバッタリ。幹事のくせして(笑)彼も道に迷っていました。

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