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映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『永遠の0』

2014年01月05日 | 映画(あ行)
『永遠の0』
監督:山崎貴
出演:岡田准一,三浦春馬,井上真央,濱田岳,新井浩文,染谷将太,
   三浦貴大,吹石一恵,風吹ジュン,平幹二朗,橋爪功,夏八木勲他

『ゼロ・グラビティ』を観てから心斎橋へ、友人とランチ。
昼間からワインを1本空け、またまたTOHOシネマズ梅田へ戻ります。
アルコールのせいでふたりとも眠くなるかもと思いながら本作を。

原作を読んだのは数年前で、細かい部分はあまり覚えていません。
確かに良い話だったことは間違いないのですが、ちょい苦手な文体。
「~だった。~だった」とぷつぷつ切れ気味に同じ形で終わる文章がつづき、
まるで『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(2007)のナレーションを聞いているみたいとでも言いましょうか。
そんなわけで、『ボックス!』(2010)も原作より映画のほうが好きでした。
本作も映画のほうが好きかもしれないと大きな期待を抱いて。

司法試験に落ちて浪人中の青年、佐伯健太郎(三浦春馬)。
祖母の松乃の葬儀後、母・清子(風吹ジュン)と姉・慶子(吹石一恵)の会話から、
祖父として慕ってきた賢一郎(夏八木勲)とは実は血のつながりがなく、
血縁上の祖父が別にいるということを知らされる。

その祖父・宮部久蔵のことを一緒に調べようと慶子から言われ、
隠れてそんな調査をしたくない健太郎は、賢一郎にも相談。
賢一郎は、「(生前の)松乃が家族に知らせる必要はないと言っていたが、
ぜひ調べてほしい」と意外なことを言う。

太平洋戦争零戦パイロットで、特攻出撃によって戦死した久蔵。
さまざまな方法でかつての久蔵を知る人物を探し出し、健太郎と慶子は面会。
ところが、戦友だったはずの彼らは、口を揃えて久蔵のことを非難する。
大日本帝国の恥さらし、臆病者で、天才的な操縦技術を持ちながら、
生きて還ることに執着していた腰抜けだったと。

こんな話を聞かされてはさすがに凹む。
もうやめようかと思いつつも景浦(田中泯)という男に会いに行き、
祖父はどうせ臆病者だったんでしょうと健太郎が言うと、
景浦は凄まじい勢いで怒り、健太郎を追い返す。

それから久蔵のことが気になり、あらたな気持ちで調べはじめる健太郎。
生きて還ることに誰よりも執着していたはずの久蔵が、
終戦直前の特攻に志願して死を選んだのはなぜなのか。

言うまでもなく、いい作品でした。
しかし、あえて言わせてもらうならば、現代の3人がなんだか軽い。
三浦春馬風吹ジュン、吹石一恵、いずれも嫌いな役者ではありません。
なのに本作に関しては、この3人が涙ぐんだり絶叫したりするたびに、
わざとらしさを感じてしまいました。

私が涙をこらえられなかった箇所は3つ。
若き日の景浦(新井浩文)が、特攻に志願した久蔵(岡田准一)を怒鳴りつけるシーン。
そしてそのことについて現代の景浦(田中泯)が健太郎に話すシーン。
もうひとつは、最後の久蔵が特攻するシーンの岡田くんの瞳。

新井浩文田中泯、圧巻。このふたりにやられました。

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