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『イエスタデイズ』

2009年04月03日 | 映画(あ行)
『イエスタデイズ』
監督:窪田崇
出演:塚本高史,國村隼,和田聰宏,原田夏希,カンニング竹山他

アカデミー賞では、毎回(今年もあったのかな?)、
その年亡くなった映画関係者の追悼コーナーがあります。
俳優ならば、その出演シーンを数珠つなぎ。
拍手の大きさも人によってちがい、
赤狩りの時代に司法取引をして、
友人を売ったと非難されたエリア・カザンのときなどは、
拍手とブーイングが混在していました。

話がそれましたけれど、追悼コーナーを見るたび、
私は誰が亡くなったらものすごく悲しいだろうと考えます。
日本人なら山崎努、それから、本作にも出演している國村隼。
即座に名前が浮かぶのは、この2人かもしれません。

本多孝好の同名短編小説を映画化。

数年来、両親と連絡を絶っていた聡史は、
父親の昭彦から電報を受け取る。
ファミレスチェーンを一代で築き上げ、巨額の財産を有する昭彦は、
「癌で余命わずか。頼みがある」と記していた。

頼みとは、学生時代につきあっていた女性を探してほしいというもの。
彼女の名前は澪。自分との間に子どもがいる可能性があると言う。
別れてから、彼女が妊娠していたと友人を通じて聞き、
死期が迫った今、事実を明らかにして、
もし子どもがいるならば、経済的に少しでも力になりたいと。

昭彦は聡史に1冊のスケッチブックを手渡す。
そこには、かつて画家を目指した昭彦が描いた絵が綴られていた。
店の利益のことしか頭にない様子の父親を嫌って
家を飛び出したといういきさつのある聡史は、渋々引き受けることに。

スケッチブックを手がかりに
昭彦が暮らしていた町を訪れた聡史は、
絵を見ていると一瞬意識が遠のく。
気がつくと、目の前には若かりし頃の昭彦と澪がいて……。

DVDで十分だけど、なんだか春にぴったり。

いつのまにかふたりと友だちになった聡史は、
スケッチブックの絵と同じ時代を細切れに過ごすうち、
今まで知り得なかった父親の姿を見ます。

やっと逢えた澪が、過去に意味はないと言いつつ注文したのは、
当時の昭彦が好きだったクリームソーダ。そのシーンがとてもいい。
また、昭彦が、自分がクビにした店主が新規開店した店を訪れ、
食事をとるシーンも好きでした。

コワモテなのに、秘めた優しさを見せてくれる國村隼。
いなくなったらとても寂しい俳優さん。
って、まだ50代やんか~。そんな心配するのは早すぎか。

ペペロンチーノを極めてみよう。

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