夜な夜なシネマ

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『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』

2017年02月10日 | 映画(ま行)
『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』(原題:Miss Peregrine's Home for Peculiar Children)
監督:ティム・バートン
出演:エヴァ・グリーン,エイサ・バターフィールド,クリス・オダウド,アリソン・ジャネイ,
   ルパート・エヴェレット,テレンス・スタンプ,ジュディ・デンチ,サミュエル・L・ジャクソン他

運動もしないのに体は丈夫なほうだと思っていましたが、年齢を実感した1月。
2週目に発熱、すぐに下がったので高を括っていたら、
3週目にウイルス性結膜炎に。結膜炎に罹ること自体、人生初。
眼科で処方された点眼薬でこれもわりと簡単に治ってナメていたら、4週目に再度発熱。
病気のせいで有休を使うなんて絶対に嫌だと思っていたから、
この腰の痛さから推測するに38度超え、39度はないかなと思いつつも出勤。

そうしたら、仕事中にぶっ倒れました。文字通り、「ぶっ倒れました」です(笑)。
気がついたら床に倒れていて、たぶん数秒後に目覚めたら、周囲騒然。
休養室(そんな部屋があることを30年勤めていて初めて知った)で休ませてもらい、
午後から帰ることになりましたが、自分で車を運転するのは皆から強く反対され、
お昼休みに同じ部署の先輩が自宅近くの病院まで送ってくださいました。

風邪だったのですけれど、熱が下がるまでは安静を言い渡され、
倒れたのは木曜の朝、金・土・日曜と家でおとなしくすることに。
この4週目はダンナ出張で映画三昧のチャンスだったのに残念無念。ガックリ。

こうして何年かぶりに映画を1本も観られなかった週がわずか1週あっただけで、
その間に封切られた作品がいっぱい。
あれも観たい、これも観たいのに、1週経つと上映回数が激減。
もう夜にしか上映していない作品とかあるやん(泣)。ま、致し方ありません。
ダンナの次の出張中は映画三昧してやる!と心に誓うのでした。

観たい作品だらけのなか、この日いちばん効率よく観られそうだった本作を選択。
TOHOシネマズ伊丹にて、2本ハシゴの1本目。

『ビッグ・アイズ』(2014)以来のティム・バートン監督作。
原作は世界35カ国で翻訳出版されているというランサム・リグズの『ハヤブサが守る家』。
児童文学もしくはヤングアダルト小説というべき原作が
バートン監督の手にかかるとまるで映画オリジナルのよう。

子どもにはちょっぴり怖いかもしれない不気味なオープニングロール。
それが終わるといきなり太陽の降り注ぐフロリダの場面。つかみはバッチリです。

そんな明るい陽射しのフロリダに暮らす高校生ジェイク。
幼い頃から祖父エイブが話してくれる冒険譚を聞くのが楽しみでならなかったが、
荒唐無稽なエイブの話を信じたばかりに、学校では変わり者扱い。
両親も息子に絵空事を話して聞かせるエイブを疎ましく思っている様子。

ある夜、ジェイクがエイブのもとを訪ねると、家が荒らされていたうえに、
家へと続く森でエイブは目玉をくり抜かれて死んでいた。
野犬の仕業だという警察の見解にジェイクは納得できず、
気持ちの整理をつけるために女精神科医ゴランの診察を受ける。

いまわのきわのエイブがジェイクに言い残したのは、
英国ウェールズにある小さな島の児童保護施設へ向かえということ。
ゴランの勧めもあり、ジェイクは父フランクとともに島へと向かう。

ところが、その児童保護施設は第二次世界大戦中に独軍の爆撃を受け、廃墟と化していた。
それを見てもまだ腑に落ちないジェイクがひとりで島をうろつくうち、
施設が焼け落ちたはずの1943年9月の現地へとタイムスリップ
なんとそこには爆撃を受ける前日の世界が広がっていた。

施設の女主人ミス・ペレグリンと異能を持つ子どもたちは、
年を取ることもなく同じ日を平穏に生きつづけていて……。

小さな子どもさんなら泣いてしまうかもしれません。
グロい描写もかなり多い、バートンお得意のダークファンタジー。

異能の子どもたちがみんな魅力的。
羽根のように軽くて、鉛の靴を履いていなければ宙に浮いてしまうエマ。
降霊術を用いて無生物に息を吹き込むことができるイーノック。
指先から火を放つ能力を備えるオリーヴ。頭の後ろにも口を持つクレア。
植物を育てることができるフィオナ。体内で蜂を飼うヒュー。
最年少でありながらなんでも持ち上げられる怪力のブロンウィン。
透明人間のミラード。仮面をかぶったままの双子。
自分の夢を投影してみんなに見せることができるホレースなどなど。

ミス・ペレグリン役のエヴァ・グリーン姐御があいかわらずの格好良さ。
エイブ役の御大テレンス・スタンプと悪役のサミュエル・L・ジャクソンも生き生き。
『疑惑のチャンピオン』(2015)で正義感に溢れる記者を演じたクリス・オダウド
本作では子どもの気持ちをわかろうとしない父親フランク役。

人とちがう能力を持つ者はいつの世も生きづらい。
そんな子どもたちに向けられるバートン監督の温かいまなざしを感じます。
ストーリーを完全に理解するには、私はもう一度観ないと無理みたい。
タイムループってむずかしいんだもの。

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