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『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』

2018年04月10日 | 映画(あ行)
『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(原題:Darkest Hour)
監督:ジョー・ライト
出演:ゲイリー・オールドマン,クリスティン・スコット・トーマス,リリー・ジェームズ,
   スティーヴン・ディレイン,ロナルド・ピックアップ,ベン・メンデルソーン他

TOHOシネマズ西宮にて、
前述の『ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル』上映終了の5分後に。

第二次世界大戦の初期だった1940年5月。
ヒトラー率いるナチスドイツの前にフランスは陥落寸前。
英国へも侵略の危機が迫るなか、誰を首相に据えるか。
国王ジョージ6世の親友でもある外相ハリファックス子爵が濃厚だったが、
さまざまな事情から致し方なくウィンストン・チャーチルに打診され、
あっさりと受諾したチャーチル。

チャーチルは国民には人気があるものの、党内では嫌われ者で、
国王も彼のことをまったく信頼していない。
友人もいない彼が弱音を吐ける相手は妻クレメンティーンだけ。
彼女は夫を叱咤しながらも勇気づけ続ける。

ハリファックスらがイタリアとの和平交渉の席に着くべきだと主張するが、
チャーチルは断固として徹底抗戦を誓う。
しかし戦況は悪化の一途をたどり、英国軍はダンケルクで絶体絶命の危機。
ドイツ軍が英国に上陸するのももはや時間の問題で……。

チャーチル役にゲイリー・オールドマンが選ばれた経緯を知らないのですが、
写真を見るかぎり、似ても似つかないオールドマンになぜ?
こういう場合、普通は私の苦手なメイクアップが施されます。
老けメイクやデブメイクなど、いかに上手に施されようともその違和感は拭えず、
メイクを見ただけで興醒めしてしまうことがしょっちゅう。

ところがこのメイクアップは凄かった。
知らなかったらオールドマンだとわからないほど。
オールドマン自ら指名したという特殊メイクアップアーティストの日本人、
辻一弘氏のメイクアップの素晴らしさに唸りました。
第90回アカデミー賞のメイクアップ&ヘアスタイリング賞の受賞もうなずけます。

そんな完璧なメイクを施されたオールドマンは、
酒と葉巻を手放さず、感情を抑えられないチャーチルを見事に演じています。

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』を観た翌日だったたけに、
国民に嘘をついてでも戦争を続けるべきだとは到底思えません。
チャーチルも首相就任直後は優勢であるかのように国民に偽っていたわけで。
しかし国王と心を通わせるようになったシーンにしんみりし、
国王の助言を受けたチャーチルが国民の生の声を聴こうとするシーンにもしみじみ。

ゲイリー・オールドマンの演技を堪能する作品でしょう。

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