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『変態だ』

2016年12月14日 | 映画(は行)
『変態だ』
監督:安齋肇
出演:前野健太,月船さらら,白石茉莉奈,奥野瑛太,信江勇,山本圭祐,
   ウクレレえいじ,玉手峰人,宮藤官九郎,市川しんぺー,桜井秀俊他

シネコンで、「ひとりカラオケ」状態を堪能した翌日、先週の土曜日。

どうしても引き寄せられてしまう、みうらじゅん
“飛び出し坊や”とか“いやげもの”とか、目のつけどころが面白すぎ。
『アウトドア般若心経』なんて買っちゃったし。

で、そのみうらじゅんが企画・原作・脚本を務めたという本作。
コンセプトは彼自身が「いま観たいポルノ映画」だそうで。
こんなインパクトのあるタイトルを付けられたら、私は釣られてしまいます。
朝イチでR18+鑑賞ってどうよ。なんばパークスシネマにて。

冴えない中学・高校時代を送っていた男(前野健太)は、
せめて大学は都会へと、一浪の末に東京都内の二流大学に合格。
しかし入学式の朝に寝坊して、慌てて駆けつけたときには式すでに終了。
呆然とする彼に声をかけてきたのがアフロのデブ女(信江勇)で、
強引に彼女が所属するロック研究会に入らされる。
これといって面白みのない学生生活のなか、思いのほか楽しいバンド活動
バンド名を“不合格通知”として、男は作詞作曲も担当する。

やがて、バンドのメンバーが就活で忙しくなり、解散。
ただひとり残ったその男は、ひとりで“不合格通知”として音楽活動を続け、
それなりに食べられるように。
ファンだった女性と結婚して、子どもにも恵まれる。
可愛くて巨乳の妻(白石茉莉奈)との暮らしは一見順調。

だが、男には妻には秘密にしている嗜好があった。
学生時代から関係を続けている薫子(月船さらら)を愛人として、SM三昧。
ライブ後は打ち上げの飲み会だと妻に偽り、薫子と密会を重ねている。

そんなある日、寂れた地方の雪山で野外ライブの仕事が入る。
妻の実家にほど近い場所のため、この機会に妻もライブに来たいというが、
薫子を付き人として同伴、夜はSMに耽るつもりだから、妻に来られては困る。
男はなんとか言いつくろって、妻が来ないように仕向ける。

ところがライブ当日、客席の中に妻らしき女の姿が。
妻と愛人が鉢合わせするのだけは阻止したい。
出番が終わるとすぐに薫子の手を引っ張り、男は雪山の中へと走り出すのだが……。

R18+と言いますけれど、女性で脱いでいるのは妻役でAV女優の白石茉莉奈のみ。
アフロ先輩こと信江勇も一瞬の絡みのシーンでお尻は見せていますが、見たくないし(笑)。
常日頃からワガママなお嬢様の薫子を演じる月船さららは、
ご存じの方も多いかと思いますが、元・宝塚歌劇団の月組の男役スター。
『世界で一番美しい夜』(2007)のヒロイン役で度肝を抜かれたのを思い出します。
元タカラヅカでこんな役を演じる人は、ほかにいないのでは。

村の警官役でクドカンがチラリと登場して笑わせてくれます。
本作を観に行くことを選択すること自体、ヘンタイだと言われそうですが、
はい、面白かったです。人には決して薦めません(笑)。

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