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『〈主婦〉の学校』

2021年11月10日 | 映画(さ行)
 『〈主婦〉の学校』(原題:The School of Housewives)
監督:ステファニア・トルス
 
劇団☆新感線昼飲み映画3本という12時間コース、
充実しすぎの文化の日の〆は本作鑑賞でした。
 
アイスランドって、12年連続でジェンダーギャップ指数ランキング1位なのだそうです。
ジェンダーギャップとはつまり男女格差。
経済、教育、医療、政治の4分野において、14項目のデータで男女比を算出。
スコアが1に近いほど男女が平等であることを表します。
ジェンダーギャップ指数が公表されるようになったのは2006年。
初めのほうこそアイスランドは1位ではありませんでしたが、それでもスコアは0.8近く。
今では0.9を少し切るぐらいになりました。ちなみに日本はずーっと0.6台。
 
そんなアイスランドには、1942年来の歴史を誇る家政学校があります。
“主婦の学校”と呼ばれて親しまれているそうな。
それを聞いたとき、今時なんだそりゃ、花嫁修業の学校か、と思いました。
そういう要素はあるものの、それだけではないから驚きです。
 
掃除、洗濯、料理。当然、こういったことの方法を学びます。
けれど、男性も受け入れているのです。
性別問わずに受け入れるようになったのは1990年代以降ですが、
最初の男子学生となった人のインタビューが面白い。
入学希望の彼に校長が尋ねたのは、「掃除をするように言われて屈辱的だと感じるか」ということ。
まったく抵抗がないという彼に、入学が認められたのだそうです。
 
その最初の男子学生の志望動機のひとつは、消えゆくものへの興味。
食洗機の登場で自らの手で洗うことは不要になり、
掃除だってルンバみたいなやつが勝手におこなってくれる。
食洗機を使うようになったら読書の時間が増えたと聞き、
それはそれでありだなと思いましたが、私は食器は手で洗う派です。
ま、家族が少ないですし、食洗機を動かすのがすでに手間だというのが大きいだけですけれども。
 
花嫁になるわけではなくても、この学校にかよって一通りのことは知り、
やることやらないことを自分で選びながら暮らしていけるといいですね。
どこの手を抜くべきかは、何も知らなきゃわからないもの。
 
変な映画ばかりの国だと思っていましたが、見方が変わりました。

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