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『CUBE 一度入ったら、最後』

2021年10月27日 | 映画(か行)
『CUBE 一度入ったら、最後』
監督:清水康彦
出演:菅田将暉,杏,岡田将生,田代輝,山時聡真,斎藤工,吉田鋼太郎,柄本時生
 
TOHOシネマズ伊丹にて4本ハシゴの2本目。
 
予告編を観たとき、あの『CUBE』(1997)を日本でリメイクするなんて、
どんな大それたことを考えるねんと思いました。
ヴィンチェンゾ・ナタリ監督はその凄すぎる1作目の呪縛が解けなかったのか、
ほぼ一発屋になってしまった気がします。
今は主にTVドラマシリーズを手がけていらっしゃる様子。
本作では「クリエイティブアドバイザー」というワケわからん肩書きで協力。
 
目覚めると謎の立方体の中。
そこから脱出しようとした青年(柄本時生)は仕掛けによって瞬殺される。
 
その後、別の立方体の中で目覚めたのは後藤裕一(菅田将暉)。
同世代の越智真司(岡田将生)に起こされる。
すぐそばには宇野千陽(田代輝)という少年もいた。
3人とも記憶を辿ってみるが、なぜここにいるのかわからない。
 
戸惑っている3人の前に隣の立方体からやってきたのが井手寛(斎藤工)。
そしてそれとは別の立方体から甲斐麻子()もやってくる。
どうやら仕掛けのある立方体とない立方体があるようで、
あるほうに不用意に入れば即座に仕掛けが発動して死に至るらしい。
 
最も行動力のありそうな井手に従って移動すると、
そこには安東和正(吉田鋼太郎)がひとりで縮こまっていた。
助けに来てくれたと思った安東は、それが勘違いだと知ってガッカリ。
 
どこかに出口はあるのか。
脱出の手段を考えるうち、書き並べられている数字の法則に気づいて……。
 
オリジナルとこのリメイクを比べようにも、
25年近く前に一度観たきりの作品の詳細を覚えているわけがありません。
ただ、あの衝撃はリメイクにはない。
 
そもそも、公式サイトに登場人物たちの職業が記されていますが、
映画の中ではそれについては何にも情報がありません。
自己紹介をするときに口にするのはフルネームのみ。
唯一「会社役員をしています」と言うのが安東で、
聞かれてもいないのに「会社“役員”」などと偉そうに言う奴はろくでもない(笑)。
 
情報が示されないなか、彼らのバックグラウンドやバックボーンを想像せよというのか。
単にワケありの6人が集められて順番に処刑されるみたいな話になっています。
かろうじて後藤だけは過去に何があったのか明かされ、贖罪する体(てい)。
ほかは何の罪で処刑されるのかもわからない。
6人のうち1人は助かり、1人はゲーム続行、1人は企画側の人間でしたというオチ。
 
オリジナルをもう一度観たくなる作品です。
清水康彦監督なら、『その日、カレーライスができるまで』のほうがよかった。

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