夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『のみとり侍』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の4本目@なんば)

2018年05月30日 | 映画(な行)
『のみとり侍』
監督:鶴橋康夫
出演:阿部寛,寺島しのぶ,豊川悦司,斎藤工,風間杜夫,大竹しのぶ,
   前田敦子,松重豊,伊武雅刀,六平直政,三浦貴大,桂文枝他

前述の『ランペイジ 巨獣大乱闘』の次に。

原作は小松重男の同名短編で、鶴橋康夫監督による艶笑人情時代劇という触れ込み。
R15+指定なんですけれど、血の気の多い男子なら十分興奮できるのでは。
でも、最近の男の子はこの程度ではなんとも思わないんですかね(笑)。
私のひとつ向こうの席に座っていた年輩の男性は、絡みのシーンが映るたび、
恥ずかしそうにうつむいていらっしゃるじゃあないですか。
えーっ、直視でけんかい!? なんとウブ。

時は18世紀後半、十代将軍・徳川家治の治世。
老中・田沼意次(桂文枝)のもとでは賄賂が横行していたものの、
景気は上向きで、人びとは太平を謳歌している。

長岡藩の藩士・小林寛之進(阿部寛)はエリートだがクソ真面目。
長岡藩主・牧野備前守忠精(松重豊)の詠んだ歌を「良寛様の歌のパクリでは」と、
誰もが内心思いながら黙っていたことを正直に口に出してしまう。
怒った藩主は、寛之進を左遷、「猫の蚤とりでもして無様に暮らせ」と言い捨てる。

江戸の貧乏長屋で暮らすこととなった寛之進。
猫の蚤とりとはなんぞや。まるでわからないが、任務は忠実に果たさなければ。
「蚤とり屋」の看板を見つけた寛之進が主の甚兵衛(風間杜夫)を訪ねると、
まさかお侍さんが蚤とりとは、極秘の任務があるにちがいないと
甚兵衛と女将のお鈴(大竹しのぶ)は、勘違い。
快く受け入れられて、寛之進は蚤とりデビューする。

初めての客は、亡き妻に瓜二つのおみね(寺島しのぶ)。
てっきり部屋に猫がいるものと思いきや、
猫の蚤とりとは表向きの言葉で、実態は娼夫。
訳のわからぬままに事は進み、終わってみればおみねから「下手くそだ」のひと言。

傷ついた寛之進が出会ったのは、伊達男・清兵衛(豊川悦司)。
恐妻家の清兵衛は、妻・おちえ(前田敦子)にバレぬように女遊びがしたい。
その手助けと引き換えに、寛之進に女を悦ばす技を伝授すると言い……。

ばかばかしくって嫌いじゃないです。
同監督の『後妻業の女』(2016)よりこっちのほうが私は断然好き。

エリート侍なのに威張ることなく、貧乏長屋での生活にきっちり馴染む。
左遷されたとてふてくされずに、日々の仕事をやり遂げようとする。
わからないことをわからないままにせずに、
ひとつひとつに懸命に取り組む姿は、滑稽ではあるけれど清々しい。

阿部寛のクソ真面目ぶりが笑えて良いです。
斎藤工演じる向かいに住む人の好い青年、
それを診る伊武雅刀演じる医者は、ただのがめつい奴かと思いきやそうじゃない。
藩主はいきなり物わかりのいい人になりすぎだけど(笑)、そこはそこでホロリ。

評判はイマイチなようで、どうも私の好みは、巷の評価と異なることも多いのでした。(^^;

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