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『シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど』

2010年10月21日 | 映画(あ行)
『シネマ歌舞伎 大江戸りびんぐでっど』
作・演出:宮藤官九郎
出演:市川染五郎,中村七之助,中村勘太郎,坂東彌十郎,市村萬次郎,
   片岡市蔵,片岡亀蔵,井之上隆志,市川猿弥,中村獅童,中村橋之助,
   中村扇雀,中村福助,坂東三津五郎,中村勘三郎他

歌舞伎の舞台をそのまま撮影して映画にしたものが「シネマ歌舞伎」。
2005年に始まって、現在では10作品を超えたそうです。
以前から観たいと思っていましたが、上映劇場がごく限られており、
そこまで足を運ぶには決定打に欠けて今日まで。
今回はクドカンの作・演出、しりあがり寿の道具デザインということで即決。

なんばパークスシネマのちょっとリッチなプレミアムシアターにて。
黒い生地の座席、ウッド調の肘掛けで、席と席の間もめちゃ広し。

心が躍るハチャメチャなあらすじ。

江戸時代。
伊豆諸島の新島で「くさや」を売る未亡人、お葉。
あまりの臭いに、露店の前をみんな駆け足で通るが、
亡き夫の作った「くさや汁」を最高の味と信じ、手放そうとしない。

そんなお葉に想いを寄せる半助は、
独りで心許ないお葉に「良い商売ができるから」と声をかける。
くさや汁の入った壺を携えると、お葉を連れて大江戸へ。

その頃、大江戸では、死んだはずの人間がゾンビとして甦っていた。
ゾンビに噛みつかれた人間もゾンビとなって大混乱。

半助は、くさや汁を自分の体に塗ることで、
ゾンビから敵対視されずに済むことを知る。
人間とゾンビの間に入って上手く仕切り、ゾンビの信頼をも得ると、
ゾンビたちを働かせる人材派遣会社を始めることに。

頑丈なゾンビたちは「ハケン」と呼ばれて引く手あまた。
また、ゾンビ対策のくさや汁が飛ぶように売れ、半助の商売は大繁盛。
お葉も半助と共に生きる決意をするのだが……。

クドカンが言っているとおり、生の舞台を撮影しているため、
トチった台詞やスベったギャグもそのまま観ることができます。
観客の笑顔や喝采もそのまんま。

伝統的な歌舞伎ファンがどう評価しているのか知りませんが、
興味のなかった人たちに観てみたい気は起こさせると思います。
何よりも、みんなが楽しく演じているのが伝わってきて幸せ。

クドカンが、昨年暮れの上演当時によく言われたのが、
「私は、面白かったですよ」だそうです。
この「私は」の「は」に想像力をかき立てられる、
でも、あなたが面白かったのならそれでいいと。

はい、私も面白かったです。りびんぐでっど~♪

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