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『スーパー30 アーナンド先生の教室』

2022年10月05日 | 映画(さ行)
『スーパー30 アーナンド先生の教室』(原題:Super 30)
監督:ヴィカース・バハル
出演:リティック・ローシャン,ムルナル・タクール,アーディティヤ・シュリーヴァースタヴァ,
   ヴィレンドラ・サヘナ,ナンディシュ・サンドゥ,パンカジ・トリパティ他
 
109シネマズ箕面にて。今年7度目の“おひとりさま”でした。
こんなに良い作品が封切り後1週間も経っていないうちから客私ひとりなんて、寂しすぎる。
もったいないのでぜひぜひ劇場でご覧いただきたい。
 
実話に基づくインド作品。
 
ある青年が国際的な賞を受賞し、ロンドンに招かれてスピーチするシーンから始まります。
貧困家庭に生まれ育った彼がこの場にいるのは、恩師アーナンド先生のおかげだと。
 
シーンは遡り、まだ高校生のアーナンド。
数学の大会で優勝した天才で、学術雑誌に掲載されていた難問を解いてみせ、
ケンブリッジ大学から入学許可書が送られてくる。
 
両親も弟プラナヴもアーナンドを誇らしく思うが、金がない。
大会優勝時に「可能性に満ちた若者を経済的に援助する」と断言していた大臣に面会するも、
金を出す約束などした覚えはないと追い返される。
 
そうこうしているうちに、金の工面に奔走していた父親が急死。
失意のアーナンドがケンブリッジ行きをあきらめ、母親が焼いたパパドを売って日銭を稼いでいると、
アーナンド同様に数学大会の優勝者だったというラーランに声をかけられる。
 
ラーランは自らが経営に携わる予備校の教師としてアーナンドを招く。
そこはインドの最高学府IIT(インド工科大学)への入学のために設立された予備校で、
生徒はいずれも富裕な家庭の子どもばかり。アーナンドは一躍人気講師に。
 
しかしある日、アーナンドはこの仕事に疑問をおぼえる。
王になるのは王の子どものみ。王の子どもでなくても能力に応じて王になる時代が来るべき。
そこでアーナンドは予備校を辞め、極貧家庭の子ども30人に無償で教えるための私塾を開くのだが……。
 
ラーランは大臣とつるんでいるわけですが、その妨害工作の激しいこと。
アーナンドの私塾を潰そうとあの手この手でじゃまをします。
あることないこと言ったり、最終的にはアーナンドと子どもたち全員を殺そうとまでする。
試験前日に急襲をかけられたときの、子どもたちが途轍もなくたくましい。
まぁこの辺りは事実にたぶんかなり盛っているでしょうが、
アーナンドからこれまでに教えられた理科の知識をしっかり駆使して、敵を撃退します。
 
いちばんウルっとしたのは、アーナンドを殺すように命じられた殺し屋が、
わざわざ「殺し屋だけど殺さない」と言いに来るシーン。その理由にはジワーンと来ました。必見(笑)。
 
主演は『WAR ウォー!!』 (2019)のリティック・ローシャンで、今年48歳。
インド人って、年齢不詳なことないですか。
48歳のオッサンが高校生を演じても違和感ないって、変やろ。(^^;
 
そのほか、悪役も含めて登場人物が魅力的。
アーナンドと相思相愛だったのに、格差ゆえ結婚を断念した相手スプリヤー役はムルナル・タクール。
めちゃくちゃ可愛い美人なのに、アーナンドから「美人じゃない」と断言され、
しかもその理由が「黄金比じゃないから」なんてヒドイ(笑)。でもそれを笑う素敵な女性です。
アーナンドの私塾を記事に書くことによって救おうとするチンピラ風記者もよかった。
 
で、結果がどうなるかと言いますと、30人全員IITに合格。
そんな凄い話があるのか!?と思うけど、そこは事実のようです。

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