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『パッドマン 5億人の女性を救った男』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の4本目@西宮)

2018年12月17日 | 映画(は行)
『パッドマン 5億人の女性を救った男』(原題:Padman)
監督:R・バールキ
出演:アクシャイ・クマール,ソーナム・カプール,ラーディカー・アープテー他

インド作品。オープニングはいかにもボリウッド
しかしあとは途中に少し歌って踊る程度で、
ボリウッド初心者でも抵抗なく受け入れられると思います。
感動的な実話に若干(?)の脚色が加えられているようです。

インドの田舎、小さな村の新婚夫婦、ラクシュミとガヤトリ。
妻のことが好きで好きでたまらないラクシュミは、
生理中の女性たちが不浄なものとして扱われ、
毎月生理が始まるたびに家の外に設えられた部屋で過ごすことに疑問を感じる。

それだけでなく、どうやら妻は雑巾以下の薄汚れた布を用いているらしい。
見かねたラクシュミが薬局に行ってみると、生理用ナプキンの値段にビックリ。
妻の喜ぶ顔見たさに買って帰ったところ、彼女は喜ぶどころか、
そんな高価なものを買うと牛乳を買う金がなくなるから要らないという。

妻から返品してくるように言われたものの、薬局に返品は不可。
そこでラクシュミはナプキンを解体し、構造を調べてみることに。
何のことはない、生地と綿さえあれば自分で作れるじゃないか。
市販品は55ルピー。自分で作れば2ルピーほどだろう。
生地と綿を分けてもらおうと友人たちを訪ねると、全部タダでくれる。

2ルピーどころかタダで作ったナプキンを妻に渡すが、翌朝、彼女の機嫌が悪い。
問いただすと、これは不良品、サリーが汚れてしまったと。
どうしても市販品並みのナプキンを作りたいと思うラクシュミは、
仕事も休んでナプキン作りに没頭する。なかなか上手くは行かない。

やがてラクシュミの行動が噂になり、すっかり変態呼ばわり。
妻の親族から離婚を迫られたラクシュミは、仕方なく村を出るのだが……。

学はないけれど頭は良い。真面目で優しくてユーモアにも溢れている。
妻の笑顔を見たい一心で始めたことが、インド中の女性を救うことになります。

金さえあれば、先進国の機械を買ってナプキンなんていくらでも作れる。
でも彼には金がない。インドの多くの村にも金がない。
ラクシュミが「普通」のナプキンを作り上げるまでの道。
また、ナプキン製造機を作り上げたはよいけれど、まだ村人たちの彼を見る目は変わらない。
この辺り、同じ国でも田舎と都会ではずいぶんと感覚が違うことを思い知らされます。

機械を作り上げたのちも金儲けにはいっさい興味なし。
村を回って女性たちに機械の使い方を指導し、彼女たち自身で稼げるように。
特許などを取得して機械自体が高くなっては意味がないのだというラクシュミ。
国連に招かれたさいの彼のスピーチは感動的です。
個人的には原田マハの『本日は、お日柄もよく』の選挙演説よりも
ずっとずっと心を打たれました。

彼に協力を惜しまない女性パリーが素晴らしい。
妻のもとへは帰らずに彼女とくっついてほしかったんだけどなぁ。

良い作品でした。

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