『モナ・リザアンドザブラッドムーン』(原題:Mona Lisa and the Blood Moon)
監督:アナ・リリー・アミールポアー
出演:ケイト・ハドソン,チョン・ジョンソ,エド・スクライン,エヴァン・ウィッテン,クレイグ・ロビンソン他
シネ・リーブル梅田にて、2本ハシゴの2本目、前述の『花腐し』の次に。
イラン系アメリカ人のアナ・リリー・アミールポアー監督がチョン・ジョンソを主演に起用して。
アミールポアーは長編デビュー作の『ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女』(2014)で注目された女流監督。
イランのヴァンパイアものというのは史上初めてだったようですね。
日本では劇場未公開。Netflixで観られるそうなので、こりゃ観なければと思うほど面白かった本作。
人を思いのままに操る能力を自らが携えていることを知り、自分を虐待してきた看護師を懲らしめると、病院から脱走する。
金もないから入店できずに様子を窺っていると、退店してきた女性ボニー・ベルが赤の他人の女性から難癖をつけられ、
殴りかかられているところを目撃。咄嗟に自分の力を使い、ボニーを助ける。
モナを利用すれば簡単に荒稼ぎできるだろうと良からぬ企てを図る。
ショーを見に来たセコい客の財布から多大なチップを払わせたり、ATMにやってきた人に金を差し出させたり。
何の迷いもなくボニーに従っていたモナだが、ボニーの一人息子でまだ幼いチャーリーは、
自分の母親に利用されているだけのモナのことが心配でならない。
やがてボニーとモナの悪事がばれ、以前モナを追って怪我を負わされたハロルド巡査が捜査を始める。
どうしても病院に戻りたくないモナが頼ったのは、脱走した日に出会ったDJファズで……。
大好きです、これ。
赤い満月の夜にモナが突如として覚醒した理由も、なぜこんな能力を持っているのかもわかりません。
とにかく幕開けがいきなり覚醒した彼女だし。
だけどそのうちそんな細かい説明はどうでもよくなって、きっと虐げられてきた彼女の自由が嬉しくなる。
チャーリーとモナが一緒にいる姿が本当に微笑ましい。
鑑賞前は、ケイト・ハドソン演じるボニーとモナが仲良しこよしのハッピーエンドを想像していたのに、
全然そんなことにはなりません。ボニーが思ったよりもゲスなんですよね(笑)。
でも、それを自覚しているからちょっと憎めない。
チャーリー役のエヴァン・ウィッテンの可愛らしさにも目が留まります。
笑ったのは、いちばん信用ならないように見えていたファズが実に頼りになる男だったこと。
誰よこの俳優はと思ったらエド・スクライン。
そういえば彼は“トランスポーター”シリーズでジェイソン・ステイサムの後継者だったのでは。
どこに行っちゃったのかしら、あのシリーズは。
あのシリーズはなくなってしまったけれど、ファズの台詞によればこちらは続編がありそう。
どうせなら前日譚もお願いしたい。