夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『モスル あるSWAT部隊の戦い』

2021年11月28日 | 映画(ま行)
『モスル あるSWAT部隊の戦い』(原題:Mosul)
監督:マシュー・マイケル・カーナハン
出演:スへール・ダッバーシ,アダム・ベッサ,イスハーク・エルヤス,クタイバ・アブデルハック,
   アフマド・ガーネム,ムハイメン・マハブーバ,ワリード・エルガーシィ他
 
109シネマズ箕面にて、前述の『土竜の唄 FINAL』とハシゴ。
 
「モスル」とはイラク北部の都市の名前。
イラク戦争のさいには、米軍がモスルを占領して油田の確保を画策していました。
それは上手く行かなかったものの、米国の介入によってモスルが戦地となったのは確かです。
そしてその後10年ほどが経過して、今度はISIL(イスラム過激派)がモスルを占拠。
このとき、ある任務のために行動していたSWAT部隊について、
『ザ・ニューヨーカー』に掲載された記事を基にしたのが本作だそうで。
 
新米警察官カーワは21歳のクルド人。モスルに勤務している。
同僚たちと共にISIS(イスラム国)に応戦していたが、味方はほぼ全滅状態。
相棒と自分、生き残っているのはたった2人となったとき、
どこからともなく現れたSWAT部隊に救出されて命拾いする。
 
部隊を率いるジャーセム少佐は、カーワのみをSWATにスカウト。
なぜ相棒も連れて行かないのかと問うカーワに、
「身内をISISに殺された者しかこの部隊に入れない」と少佐は答える。
 
噂ではSWATは消滅したはずなのに、ここにまだ彼らはいる。
隊員になるにはなったカーワだが、部隊がどこに向かっているのか、
いったいどんな任務のために行動しているのかがわからない。
少佐はもとより、ほかの隊員たちもカーワの質問に答えてくれず、
悶々としながらもついて行くカーワだったが……。
 
ネタバレしちゃってもいいですかね。
 
最後の最後にわかる、その任務とは。
隊員のうち、家族がどこかで生きていることがわかっている者については、
家族のもとへ届けて会わせるというものでした。
 
いい話でしょ。いい話なんです、すごく。
これは素直に感動すべき作品だ、そう思いながらラストシーンを観ていました。
なのに違和感が拭えないのはなぜなのか。
本作がアメリカ人の手によるアメリカ作品だからなのだと思います。
 
イラク人俳優を起用しているとはいえ、アメリカ人の目線。
米軍がどこやらにいるという台詞はたまにあるけど、
なんだかモスルで内戦が起きているみたいだよと言いたげで、思いっきり他人事。
イラク戦争にあれだけ介入したアメリカが、どーして他人事!?
監督がイラク人だったなら、こんなふうには思わなかったでしょう。
 
よかったねって言えない私。(^^;

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『土竜の唄 FINAL』 | トップ | 『ARASHI Anniversary Tour 5... »

映画(ま行)」カテゴリの最新記事