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『インサイド』

2018年07月20日 | 映画(あ行)
『インサイド』(原題:Inside)
監督:ミゲル・アンヘル・ビバス
出演:レイチェル・ニコルズ,ローラ・ハリング他

TOHOシネマズなんば本館で『ジュラシック・ワールド/炎の王国』を観てから
外国人観光客でにぎわう界隈を通り抜けて別館へ移動。

とても怖そうなので、普通ならスルーしていたと思います。
だけどスペイン出身監督といわれると気になるのです。
いくぶんビビりながら観たスペイン/アメリカ作品。
こういうのは新しい本館で観るよりもレトロ感漂う別館のほうが断然似合う。

『屋敷女』(2007)というフランス作品のリメイク。
私は未見ですが、オリジナルは世界的にセンセーションを巻き起こした作品らしく、
変質者とおぼしき女をベアトリス・ダルが演じているというだけで怖そう。
このリメイクでじゅうぶん怖いってば(笑)。

プロローグでこんな説明が入ります。
「アメリカでは年間309人もの乳児誘拐があり、そのうち10%は妊婦である。
母親10人のうち9人は殺されるか死に至っている」。
これ、最初さっぱり意味がわからず。
しばらくその意味を考え続けることに気を取られてしまいました。
ちょっと不親切な翻訳だと感じましたが、理解できない私がアタマ悪い?(^^;
観はじめてようやく理解。
お腹の中にまだ赤ちゃんがいる間に誘拐されて、
誘拐された妊婦は出産後に9割の確率で死んでしまうということなのですね。

出産間近の妊婦サラは、夫と車で出かけた晩、交通事故に遭い、夫は死亡。
サラとお腹のなかの子どもは無事だったが、サラの片耳に障害が残る。

補聴器なしでは暮らせず、ひとりで子どもを育てられるのかと不安な日々。
隣家のゲイカップルはサラのことを気にかけ、夕食を一緒に摂ろうと誘うが、
まだそんな気持ちになれないサラは丁重に断り、
じきに様子を見にきてくれるはずの実母の到着を待つことに。

その夜、ドアを猛烈にノックする音が聞こえる。
夜分のこと、ゴーストタウンと化している町でドアを開けるのは不用心。
ドアを開けずに玄関前に立っている女に何の用かと問いかけると、
車が故障したので電話を貸してほしいと言う。
就寝中の夫を起こしたくないからよそを当たってほしいとサラが答えると、
女は「嘘をつくな、サラ」と怒鳴る。恐怖に震えるサラ。

念のため、警察に電話をすると、女は立ち去った様子。
不審者が現れたと事情を話し、パトカーの巡回を約束されて一安心。
ところがようやく眠りについたサラの部屋にあの女の影が浮かび上がり……。

以下、ネタバレありありです。

ほとんど二人芝居といっていいぐらい、登場人物が少ない。
そんななか、出てくるひと出てくるひと皆、女にぶっ殺されるんですから、怖いのなんのって。
たまに女とまちがえてサラが殺しちゃったりなんかもして、
すごく怖いのに、ときおり劇場内に笑いが巻き起こります。えっ、マジかよ!?みたいな感じで。

女の正体はまぁ想像のつく範囲内で、だから同情の余地はあるのですが、
それにしても普通の女がこんなに斬って撃って殺せんでしょ。
オリジナルのオチと同じかどうかは知らないけれど、ほんのちょっぴり救いあり。
だからといって決してハッピーエンドではないから、
もう苦笑いするしかないバイオレンススリラー、いや、ホラーです。
オリジナルはR−18指定、このリメイクはR15+指定。
やっぱりオリジナルのほうが残虐度上なのでしょう。
なにせオリジナルは映倫に審査を拒否されたぐらいですから。

あんなにもホラーが苦手だったのに、このごろ進んで観ているなぁ。
これも暑さのせいなのか、歳を取ったおかげなのか。
というより、歳を取って怖さの感覚が鈍くなっているのでしょうか。
なんでもええけど、怖いのは怖いよん。

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