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『15年後のラブソング』

2020年06月22日 | 映画(さ行)
『15年後のラブソング』(原題:Juliet, Naked)
監督:ジェシー・ペレッツ
出演:ローズ・バーン,イーサン・ホーク,クリス・オダウド,アジー・ロバートソン,
   リリー・ブレイジャー,アヨーラ・スマート,エレノア・マツウラ他
 
TOHOシネマズ梅田で前述の『グッド・ボーイズ』を観てから、
茶屋町NUプラスのスタバに寄ってお茶、その後、テアトル梅田へ。
日曜日に観た2本はどちらもすごく良くて、
こういうハシゴができた日はとても幸せ。
 
アメリカ/イギリス作品。原作はイギリスの人気作家ニック・ホーンビィ
『ハイ・フィデリティ』(2000)や『アバウト・ア・ボーイ』(2002)の原作者として知られる人です。
 
アニーはイギリスの港町サンドクリフに暮らす独身女性。
恋人のダンカンとはつきあって15年、長らく同棲しているが、
彼は子どもを持つ気はないらしい。
 
日々募るダンカンへの小さな不満のうち、もっとも腹立たしいのが彼の「生き甲斐」。
ダンカンは、1990年代に突然姿を消したロック歌手タッカー・クロウに心酔し、
タッカーのファンサイトを運営している。
その執着ぶりは尋常ではなく、アニーがタッカーを批判でもしようものならエライことに。
 
ある日、ダンカン宛に届いたタッカーの昔のデモテープ
アニーが開封して先に聴いたものだから、ダンカンは激怒。
口論のしばらく後、ようやく冷静になったダンカンが仲直りを申し出るが、
ついアニーはそのデモテープのことを退屈だと言ってしまう。
 
再び怒ったダンカンは取り付く島もなく、部屋に閉じこもる。
ファンサイトではデモテープの感想が飛び交っているようで、
アニーは本音の批評を匿名で送信。
それに気づいたダンカンがまたもや怒るが、
アップされたアニーの批評を読んで「まったくそのとおり」と
直接メールを送ってきた閲覧者がいた。
なんとその閲覧者はタッカー本人で……。
 
じんわり素敵な作品です。
 
アニー役にはローズ・バーン
彼女は10年ほど前に「世界で最も美しい顔ベスト100」の1位に輝いたことがあり、
そのときすごく驚いたことを覚えています。
確かに美人ですよ、でも世界でいちばんっていうほどかなぁ。
わりと地味に見えるのは、いつも演じる役のせいなのか。
それはともかく、いい女優であることは間違いありません。
 
タッカー役にはイーサン・ホーク
このくたびれ具合がなんとも言えん。ハマっています。
まったく好感の持てないダンカン役にはクリス・オダウド
 
忽然と表舞台から消えた伝説のシンガーのことをファンは美化し続け、
今はこんな暮らしを送っているはずだと勝手に考える。
彼の曲についてもいいようにばかり解釈して、
このうえなく美しい歌であると崇める。
そんなにいい奴じゃないし、いい話でもない。
本人が聞けば笑ってしまうような想像なんですね。
 
実際のタッカーは女を取っ替え引っ替え、母親の違う子どもが何人もいる。
別れてからも良い関係を築いている相手もいれば、
取り返しのつかない別れ方をしてしまった相手もいます。
 
最後にできた息子、まだ幼いジャクソンとは一緒に暮らしていて、
このジャクソンがまた実にカワイイ。
アニーとジャクソンが過ごす時間にも和む。
 
原題の“Juliet, Naked”はデモテープのタイトル。
目新しさはないけれど、いい映画を観たなぁとホッとできる作品でした。

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