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『SISU/シス 不死身の男』

2023年11月05日 | 映画(さ行)
『SISU/シス 不死身の男』(原題:Sisu)
監督:ヤルマリ・ヘランダー
出演:ヨルマ・トンミラ,アクセル・ヘニー,ジャック・ドゥーラン,
   ミモサ・ヴィッラモ,オンニ・トンミラ他
 
仕事帰りにイオンシネマ茨木で映画を2本予約していましたが、
母に電話したらかかりつけの病院にいると言う。
「ちょっと診てもらうつもりが長くなっちゃって。
大丈夫、ひとりで帰れるから」と言うけれど、何かあれば私が後悔するでしょう。
1本はあきらめて病院へと向かいました。
 
やはり母の癌は進行しているようで、肩やら腰やらが最近痛いらしい。
母自身は「運動不足だからかなぁ」と言っていますが、たぶんそうじゃない。
癌は急に具合が悪くなる。悲しさを押し隠しながら母と笑顔で会話。
病院から連れ帰り、食事もとって大丈夫なのを確認してから劇場へ。
 
フィンランド作品。監督はヘルシンキ出身のヤルマリ・ヘランダー。
予告編を観たときから、面白そうだと思っていました。大当たり。
 
1944年、第二次世界大戦末期のフィンランド。
ナチスのせいで焦土と化した祖国を巡る老人アアタミ・コルピ。
ツルハシ片手に金脈を探し、金塊を掘り当てる旅を続けている。
 
ある日、ブルーノ・ヘルドルフ中尉率いるナチスの戦車隊と遭遇。
老人から金塊を略奪するつもりでコルピを追ってくるのだが……。
 
実はコルピはフィンランド随一の特殊部隊隊員
ロシアとの戦争で家族を失い、復讐の鬼となった彼は暴れまくったらしい。
フィンランド軍も彼に手を焼いて野放し状態にしたところ、
たったひとりでロシア兵をザッと300人は殺したというのです。
伝説の男として噂が広がり、彼には誰も戦いを挑まないのに、阿呆が手を出してしまう。
 
不死身と言われるけれど、不死身なんかじゃない。
ただ、彼はあきらめません。体がつぎはぎだらけになろうとも絶対死なない。
台詞はひとつもない爺さんの戦い方の格好いいことといったら。
 
「シス」は翻訳不可能なフィンランド語とされているそうで、ホンマですか!?
すべての希望が失われたときにあらわれる不屈の精神を指すのですと。
地雷を踏んでも死なん、撃たれてももちろん死なん、首吊られても死なん。
ラストのヘルドルフとの一騎打ちなんてどれだけワクワクしたことか。
 
ヨレヨレの爺さんがめちゃがんばる、そして強いって楽しいなぁ。
『ジョン・ウィック』のスタジオが贈る」という触れ込み。確かにそんな感じ。
北欧ムービー、侮れず。

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