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『まともじゃないのは君も一緒』

2021年04月09日 | 映画(ま行)
『まともじゃないのは君も一緒』
監督:前田弘二
出演:成田凌,清原果耶,山谷花純,倉悠貴,大谷麻衣,泉里香,小泉孝太郎他
 
大阪ステーションシティシネマからTOHOシネマズ梅田別館へ移動して。
 
前田弘二監督にあまり良い印象はないのです。
『わたしのハワイの歩きかた』(2014)がとてもつまらなかったから。
あまりのつまらなさに、試写会に誘ってくれたお兄さんが、
「すみませんねぇ」とめちゃくちゃ謝ってくれたのを思い出します(笑)。
またつまらなかったらどうしようという一抹の不安を抱きつつ、
予告編で見た題字がなんとなく気に入って、観ることに。
 
予備校講師の大野(成田凌)は、数学以外にはまるで無頓着でコミュニケーション能力なし。
そんな彼の教え子で女子高生の香住(清原果耶)は、
見た目がわりとイケているのに恋愛とは無縁の大野のことを残念に思っている。
 
ある日、香住から「普通じゃない」と指摘され、「それじゃ結婚できないよ」と言われた大野は、
自分もいつか結婚したいから、どうすれば普通になれるのか教えてほしいと香住に頼む。
恋愛上級者を気取っている香住だが、実は頭でっかちで誰ともつきあったことがない。
しかし大野に頼られて悪い気はせず、ふと、よこしまなことを思いつく。
 
それは、香住が一方的に想いを寄せている青年実業家・宮本(小泉孝太郎)と
その婚約者・美奈子(泉里香)の仲を大野を利用して裂くことで……。
 
ま、ありがちですよね。
バカにしていた大野にあれこれ指図するうちに、香住が大野を好きになるという展開。
ありがちなんですけど、会話が結構楽しかった。
安易にふたりが結ばれてハッピーエンドというところまでは行かない終わり方も◯。
 
この成田凌はハマリ役。
同僚から「成田先生のことが好きです」とコクられて、
「定量的にはどのくらい?」なんて聞いてしまう人。
数学しか知らないなんて哀れな奴のように香住から言われるけれど、
数学について語るときの彼の目の輝きよう。
それしか知らなくて可哀想なんてことは、ない。
 
こういう果耶ちゃんも初めて見ました。
ちょっと『宇宙でいちばんあかるい屋根』(2020)の彼女に近いけど、もっとイタイ(笑)。
自信を持って大野に恋愛を語る彼女はいけ好かないけれども、
人を好きになることがどういうことなのかわからないと嘆く彼女はカワイイ。
 
序盤、「ケータイ持ってる?」と聞く香住に、
大野が大ウケしながら「今どきケータイ持ってない人なんていないでしょ」。
いや、ここにいるんですけど、何か!?
 
何の特徴もない普通の人と言われるよりも、
変な人と言われるほうが面白いかもしれないけれど、
そもそも「普通」とはいったい何なのでしょう。
それ自体、人の基準はまちまち。
今どきケータイを持っていない時点で、私はきっと普通じゃない。

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