夜な夜なシネマ

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『SHADOW/影武者』

2019年09月24日 | 映画(さ行)
『SHADOW/影武者』(原題:影)
監督:チャン・イーモウ
出演:ダン・チャオ,スン・リー,チェン・カイ,ワン・チエンユエン他
 
TOHOシネマズ西宮で4本ハシゴのラスト。
 
シネコンで中国作品がかかることってあまりない気がするんです。
チャン・イーモウ監督のこのひとつ前の作品は、
マット・デイモンを主演に起用した『グレートウォール』(2016)でしたから、
中国作品というよりは中国色の強いハリウッド作品みたいな感じでしたし、
純粋な中国作品をシネコンで観るのはもしかして初めてじゃないでしょか。
 
こういうのを「武侠アクション」というのですね。
 
戦国時代。
沛国が強大な軍事力を誇る炎国に領土を奪われたまま20年が経過。
沛国の若き王は領土奪還を叫ぶことなく、炎国のご機嫌を取ってかりそめの平和を維持。
人々は屈辱を感じているが、それを王に訴えることはできない。
 
そんななか、重臣の都督が王の許可を得ずに勝手に炎国へ出向き、
最強の戦士と言われる楊蒼に対決を申し込む。
もしも勝てたとしたら、都督は領土を返還せよと言うつもり。
 
しかし実は、王をはじめとする人々が都督だと信じ込んでいるのは都督の影武者
本物の都督は刀傷がもとで病に罹り、なんとか生きながらえてはいるが、
それを隠すために用意した影武者が都督のふりをしているのだ。
彼が影武者であることを知っているのは、本物の都督とその妻である小艾のみ。
 
本物の都督の狙いは領土奪還と王の座。
炎国の最強戦士との対決に向けて、影武者は特訓を続けるのだが……。

非常に面白かったです。
話としてはそんなに新しさも珍しさもありません。
影武者が本物の妻と過ごすうち、双方気持ちが移るというのもありがち。
 
何が面白かったって、やはり武術が披露されるシーン。
降り注ぐ雨の中、太極図を上から撮っているところはめちゃめちゃ綺麗。
傘を用いて刃を止めるシーンも本当に美しい。
 
傘は傘のままであってくれたらもっと興奮したのですが、
立派な武器に改造されてしまった傘にはちょっと興醒め。
でも、勝手に縁談をまとめられてしまった王の妹が反抗の意味を込め、
影武者たちとともに炎国へ乗り込んで戦うところなんて涙が出ます。

都督と影武者はダン・チャオの一人二役。
当然おなじ顔なのに、別の人格を演じていて、違う人に見えるほど。
 
都督の妻役のスン・リー、めっちゃ綺麗。
王の妹役のクアン・シャオトン、めっちゃ可愛い。
綺麗なひとを見るのは楽しいものです。
 
復讐完結とはいうものの、凄絶なエンディング。
たまには中国映画もどうですか。

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