夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『不能犯』

2018年02月13日 | 映画(は行)
『不能犯』
監督:白石晃士
出演:松坂桃李,沢尻エリカ,新田真剣佑,間宮祥太朗,真野恵里菜,
   忍成修吾,芦名星,矢田亜希子,安田顕,小林稔侍他

ほんの半年前までは、土曜日の晩にどれだけ飲もうと、
日曜日になんばや梅田まで出て映画を観るのがなんともなかったのですが、
電車で行くのも車で行くのも今はめちゃくちゃしんどい。
電車の場合、駅まで歩かないといけないのは言わずもがな、
車の場合も、ショッピングモールに入っている映画館でないと駐車場がなくて、
目的地から離れたところのコインパーキングを見つけなあかん。
そのコインパーキングまでの往復がなんだかとても面倒で。

で、モールに入っている映画館といえば、伊丹か西宮北口か箕面か万博公園。
箕面は駐車サービスに不満があるし、伊丹はハシゴできそうな作品なし。
西宮北口はちょっと遠くて、できればパスしたい。
残るは万博公園、混んでいるだろうなぁと思いながら覚悟を決めて向かいました。
109シネマズ大阪エキスポシティへ。
ここも箕面同様、映画1本分しか駐車サービスを受けられないと思い込んでいましたが、
去年なんとなく尋ねてみたところ、ちゃんと2本分出してくれるではないですか。
3本分でも出してくれますけれど、土日の駐車サービス自体が上限5時間。

宮月新原作、神崎裕也作画の同名人気コミックの実写映画化。
白石晃士監督の作品はほとんどがホラーのため、私はこれまでご縁なし。
結構グロいですね。直視できなかったシーンもいくつか。

“不能犯”とは何か。
「行為者が犯罪の実現を意図していたとしても、その行為からは実現不可能な場合」って、
冒頭で表示されても意味わからず。
どーゆーこと?と訝りながら観始めました。なるほど、そういうことですか。

ある電話ボックスに殺人依頼のメモを残すと、その願いが叶う。
願いを叶えてくれるのは、黒スーツに身を包んだ宇相吹正(松坂桃李)。
彼は依頼人に接触したのち、依頼人の殺したい相手のもとへ向かう。
彼の目に射すくめられた瞬間に、相手は正気を失い、奇態に陥って死亡する。
あきらかに毒物にやられたような死に方でも、遺体からは毒物反応が出ない。

署に連れてくれば、刑事たちまでもが宇相吹にマインドコントロールされてしまう。
唯一彼がコントロールできないのが刑事の多田友子(沢尻エリカ)。
「僕を止めたいのなら僕を殺すしかない」と言われ、多田は彼を追い続ける。

一方、近隣では大規模な爆発テロが何度も起きていた。
新人刑事の百々瀬麻雄(新田真剣佑)は爆発に巻き込まれて意識不明に。
不能犯による事件とテロ事件、捜査は双方に渡っておこなわれるのだが……。

刑事役の沢尻エリカと同僚役の矢田亜希子
まるで違う顔なのでしょうが、並んで立つと雰囲気が似ています。
もうちょっとかけ離れた顔の女優を使えばいいのにと思いました。
沢尻エリカのほうが一回りぐらい顔が小さいですけどね。

なんちゅうのか、飽きることなく観られはしますが、
全体的に白々しく、浅い感じは否めません。
どす黒い感情を持っている人が多すぎて救われない。
そして、「信じては裏切られ、裏切られては信じるを繰り返すの!」と叫ぶところも
なんだか嘘っぽくて、乗れない。

ところで、「殺したいという純粋な思い」ってどんなもの?
誰かを殺したいという思いは、少なからず抱くことがあっても不思議はないもの。
だけど、「殺したい」は本当に「殺す」のとは訳がちがう。
そんな『13階段』(2003)の台詞を思い出します。
こんなに簡単に「殺したい」を実行していいの?

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