

ローラン・メレ氏(ブシャール・エイネ社)が醸す逸品に集まる…
Photo=日本発売元・アサヒビール提供

ご存じ、世界で一番早くフランス・ボージョレ地区の今年の新酒ワインが飲める日。今日の午前零時を期して解禁されたものだ。
仕事で関わっているKLCグループのぷちショップ各店では、昨年ブシャール・エイネ社のボージョレ・ヌーヴォ約7万ケース(9万本)を取り扱い、酒DS業界では驚異のトップ売上げを叩き出し、業界の話題を集めた。
今年も、東京のお酒屋さんではおかみさんが600本の予約販売を受けるなど、各店とも意気盛んである。
KLCが今年扱うヌーヴォは、昨年と同じエイネ社の「ボージョレ・ヌーヴォ2005」「ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォ2005」「マコン・ヴィラージュ2005」の3種だ。
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォは、フランス・ブルゴーニュ地方のボージョレ地区の中でも、より良質のぶどうが収穫される限られた38の村で作られた新酒ワインのこと。
ヴィラージュは、フランス語で村を意味するので「ボージョレ地区の選ばれた村々の新酒」とでも訳しておこうか。
マコン・ヴィラージュは、ブルゴーニュ地方のマコネー地区マコン周辺で作られる辛口で繊細な白ワイン…。
いずれにしろ、さっそく飲み比べなくては!
★
ところで、ブシャール・エイネ社は、ミッシェル・ブシャールと息子のジョセフが設立した名門ネゴシアン・エルヴァール(ワインの貯蔵熟成も手がける販売業者)で、”ブルゴーニュ・ワインの聖都・ボーヌ”に本社を置き、良質のワインを供給することで知られている。
そのエイネ社の専属醸造家、ローラン・メレ氏は今年のヌーヴォについて、「夏、好天に恵まれたせいでぶどうに腐敗も病気も見られず、果粒は小さく完璧な状態で上がっており、高品質のワインになる!」と予言。
友人のワイン通は、深夜にさっそく味わって「フルーティで軽やか。きれいな色。今年のボージョレは、後々のヴィンテージになるよ!」といささか興奮気味だ。
ヴィンテージといえば、過去最高の出来!と囃された1989年作のボージョレ・ヌーヴォの樽(15L)を残しているのが、私のひそかな自慢である。
当時現役の記者だった私は、「”毎年11月の第3木曜日が世界同時解禁日”宣言」が出て以来「大阪ジョーズ」で、恒例のボージョレ解禁深夜パーティを楽しませてもらっていた。
大阪ジョーズは東京ジョーズと並んで、ストーン・クラブ(石蟹)の爪を食べさせる、とてもシックでおしゃれなレストランだった。
と、過去形で言うのは、残念ながら今年4月に両店ともクローズされたから…。
ある年のパーティを終えた時のことだ。
私は大阪マルビル・大阪第一ホテルに宿泊の予定を入れており、当時日経新聞の大阪社会部長でテレビ大阪の「経済最前線」の人気キャスターでもいらした山本堅太郎さん(現社友・株主)とタクシーに相乗りして大阪ジョーズを後にした。
ホテルのロビーに私を送り届けて下さった堅太郎さんは「じゃあ、おやすみなさい!」と軽く手をあげて帰っていかれたが、後日、「ホテルまで女性を送って、そのまま帰るなんて、ボクも…」とおっしゃった。
それって、私がいかに魅力のない女だったかってこと?
ん、ん~。 そうなんだ、ね?
…、がっくり。
話が横道にそれた。
ヴィンテージ・ボージョレの樽のお話…。
ストーン・クラブを食べに、世界中のグルメが集うという「マイアミ・ジョーズ(Miami Joe's)」(http://www.joesstonecrab.com/)。オフィシャル姉妹店は、世界中に大阪ジョーズと東京ジョーズの2店のみであった。
経営はダスキンのフード事業部で、当時の駒井茂春社長がマイアミに飛び、なかなかYesを言わないオーナーと膝詰めで話を決めてこられ、話題になった。
ほどなく、オープンの試食会に招かれ40行ほどの小さな記事を書いたら、主婦の読者が詰めかけた。
それがきっかけで、随分、仲良くしていただいたのだった。
1988年、1989年のパーティでボージョレを味わって、「おいしい!」と言ったら、すぐに自宅に樽が送られてきた。
のちに、89年ものはヴィンテージにランキングされ、確かなテイスティングを褒められもし、少し得意になったっけ。
森本さんって、若くて頭がキレて、ソフトで爽やかで、優しい、素敵な支配人がおられたなぁ。
誠実で機転の良くきく伊藤さんは、どうされたかしら?
それにしても、ひとつの時代が終わったんだ…。
とは言うものの、ボージョレ・ワインは、けだし2000年の歴史を誇る。その永遠と大阪ジョーズの終焉を見つめつつ、2005年のボージョレを甘くほろ苦く飲んでみよう。




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