【ワシントン=遠藤誠二】ティラーソン米国務長官は1日、国務省で行った会見で、北朝鮮問題に触れ、北朝鮮に対し、「平和的圧力」をかけ続け、問題解決を目指すと表明しました。「われわれは(北朝鮮の)敵ではない」と述べ、北朝鮮の体制転換は追求しないと言及、核開発を放棄し、対話の席に着くよう改めて要求しました。
ティラーソン国務長官は、トランプ政権6カ月の外交政策を振り返り、北朝鮮問題について「当初直面した脅威の一つ」だったとし、北朝鮮の弾道ミサイル発射を念頭に、「この数カ月、見ての通り、脅威は予想通り現実のものとなっている」と語りました。この間、米国は、北朝鮮には対話を促す「平和的な圧力」をかけ、中国政府には、経済制裁の強化を求めてきたことを説明。北朝鮮に対し、「政権の転換や崩壊、朝鮮半島の再統一の加速化や、38度線以北への侵攻の口実探しをしているわけではない」と米国の立場を改めて表明し、「北朝鮮の安全保障と将来の経済的繁栄につながる対話をわれわれが持ちたいと考えていることを北朝鮮が理解することを希望する」と述べました。
ティラーソン長官は、核開発を放棄し、対話の席につくよう「北朝鮮にこれまで以上に大きな圧力をかける」と表明。「他の選択肢は明らかにあまり魅力的ではない」と語りました。
中国に対しては、北朝鮮の経済活動に大きな影響力を持っていると指摘。北朝鮮情勢をめぐっては「中国を非難しない。非難されるのは北朝鮮だ」と述べつつも、「われわれが生産的な対話を持てる条件づくりのために影響力を発揮するよう呼びかける」と経済制裁の強化へさらなる行動を促しました。