南英世の 「くろねこ日記」

毛沢東と知識人

柯隆先生の4冊目の本を読んだ。書名は「爆買いと反日」であるが、書名と書かれている内容がこれほど乖離している本も珍しい。たぶん、出版社の売らんがための戦術でつけられた書名だろう。ただし、内容は実に面白い。中国の内部情報を扱った暴露本に近い。以下、印象に残った話を記す。

◆毛沢東が引き起こした共産主義革命は厳密に言えば農民一揆である。毛沢東は死ぬまでマルクスの本を一度もまじめに読んだことがない。毛沢東の時代の階級ピラミッドでは、最上位に共産党幹部が位置し、次いで農民、都市労働者が位置付けられた。ちなみに最下層だったのは「知識人」である。だから中国は発展しなかった。ちなみに、元王朝の時代の階級制は以下の通りだという。

1.高級官僚(国家公務員)

2.下級官僚(地方公務員)

3.僧侶

4.道教関係者

5.医者

6.労働者

7.職人

8.娼婦

9.知識人

10. 浮浪者

◆「太子党」は共産党幹部の2世の集まりである。習近平も太子党である。

◆中国人のプライドは世界一であり、「面子」をきわめて重んじる。中国人と付き合うときは面子をつぶすようなことは絶対に避けなければならない。特に中国では共産党の内部では指導者を批判する文化はない。また、謝罪する文化もない。

◆中国は金銭万能社会である。同窓会に出席すると年収がいくらかを平気で聞いてくるし、自分の給料や住まい、子どもを海外留学させていることなどを自慢する。昔を懐かしむ日本の同窓会とは全く違う。

◆人民日報の発行部数は200万部しかない。多くは政府紋や国有企業の予算で強制的に購入されている。一番熱心な読者は海外の中国ウオッチャーではないか。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「日常の風景」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事