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南英世の 「くろねこ日記」

徒然なるままに、思いついたことを投稿します。

金環食

2012年05月27日 | 日常の風景
2012年5月21日、午前7時29分。大阪にて金環食をみる。
通勤途上、雲間からかすかにみることができた。この世紀の天体ショーを見ながら、いくつかのことを思った。

第一に、太陽と月の大きさの違いである。太陽にすっぽり入っている月を見て、まさか太陽と月が同じ大きさだと思った人はいないだろうが、実際は太陽の直径が月より400倍も大きい。また、400倍ということは月を1センチとすると、太陽が4メートルの大きさになる。



第二に、太陽の絵を各国の子どもに書かせると黄色やオレンジなどいろいろな色で描くのに対して、日本人の子どもに書かせると「真っ赤」な太陽を描く子どもが圧倒的に多いという。そういえば、1967年に美空ひばりが歌って大ヒットした歌も「真赤な太陽」だった。日本人にとって真っ赤な太陽は「日の丸」の連想なのだろうか。

第三に、1967年に発表された石川達三の「金環蝕」という小説を思い出した。ダム建設を巡る政界汚職を扱った小説である。入札に際して最低価格帯を高めに設定し、一番高い入札価格を提示した企業が落札するように小細工をし、それで得た差額を政治献金に・・・・というような内容だった気がする。政治の世界は一皮むけば「真っ黒」だというメッセージだった。


価格競争と安全性

2012年05月15日 | 日常の風景

需要不足、グローバル競争、人口の停滞など、さまざまなことが相まって日本の物価が下がっている。そのため企業は価格引き下げ競争に懸命である。一般的に、資本主義では競争は「善」だと考えられている。実際、わたくしも授業でそのように教えている。競争によって価格が下がり、サービス内容が向上する。

しかし、過度の競争は消費者にマイナスになることも知るべきである。値段は安ければ安いほどいいというものではない。企業にとっての「適正価格」というものがある。それ以下に価格を引き下げれば、どこかで無理が生じる。過度の競争はしばしば安全性を犠牲することもあり得るのだ。


たとえば、2005年に起きた福知山線脱線事故は、JRが私鉄各社との競争に打ち勝ために十分な安全対策を取らなかったことが原因と考えられる。また、2012年に起きた関越自動車道の居眠り運転バス事故は、コストを削減するために運転手の交代要員をおかなかったことが原因と言っていいだろう。学校で貸し切りバスを依頼する場合は、多少高くても必ず大手のバス会社に依頼するのは理にかなった選択なのだ。

中国人旅行者が日本に来て、「価格の安いものは買わない。きっと、訳あり商品だから」とテレビのインタビューに答えていた姿が印象的だった。

それにつけても心配なのは、格安航空会社の登場である。飛行機事故が起きる確率は交通事故より小さいというのがこれまでの相場だった。
しかし、本当に大丈夫なのか。行政のほうできちんとチェックするシステムがとられるべきだろう。なにしろ、ひとたび事故が起きれば全員死亡というのが航空機事故の常識だ。

自由競争下での価格と安全性はトレード・オフ関係にあることをもう一度考えてみる必要がある。

箸墓(はしはか)古墳

2012年05月13日 | 日常の風景
(箸墓古墳・・・卑弥呼の墓ともいわれる)


せっかくの日曜日、天気がいいので「山の辺の道」を歩いてみようと思い立つ。ついでに箸墓(はしはか)古墳にも行ってみたい。箸墓は、一説によると卑弥呼の墓ではないかともいわれている。

電車に乗って奈良県桜井市まで行く。鉄電車で行けば近いものを、なにも調べずにJRで出かけたらえらく時間がかかった。でも、そういう旅も悪くない。王寺で乗り換え、高田で乗り換え、やっと桜井につく。

桜井駅でパンフレットをもらって、山の辺の道をめざす。
全く知らない土地を歩くのは楽しい。
途中、仏教伝来の地の石碑があったので、「パシャ」



やがて山の辺の道に入る。途中、大神神社に寄り、さらに歩く。


(山の辺の道)


桜井駅から歩いて約7キロ。ようやく箸墓古墳につく。

       
(箸墓古墳)


しかし、宮内庁の説明にはどこにも箸墓の文字はない。地元の人に聞いてようやく、これが箸墓だと確認する。
しばし、ロマンに浸った。




新緑に誘われて

2012年05月05日 | 日常の風景


2か月ぶりにブログを更新する。
3月はなんだかんだと忙しく、4月になって2年生の担任になり毎日山のような仕事と格闘してきた。
ゴールデンウィークで、ちょっと一息ついたところである。


ところで、家のマンションから北のほうに目を向けると、手前にある淀川のずっと奥のほうに二つの山並みが見える。
右に見えるのが箕面の山並みで、左側に見えるのは六甲山系である。その二つの山の間に位置するのが伊丹空港である。

箕面の山並みの左端には、池田市の五月山公園がある。
五月山公園には以前から、一度行ってみたいと思っていたのだが、ゴールデンウィークの今日ようやく実現した。
急に行くことを思い立ったのは、まさに5月の新緑の誘われて…… である。
天気がいいこともあり、大勢の家族連れでにぎわっていた。


                (猪名川と五月山公園の遠景・・・こんもりした森の中が公園である)



池田市といえば、阪急電鉄の祖である小林一三が住んでいた街でもある。
邸宅は五月山公園のすぐ手前にあり、現在、小林一三記念館になっている。
せっかくだから、一三の記念館にも足を伸ばしてみた。


 

(小林一三記念館)

       
(小林一三の書斎)

一三はこの書斎机に座ってどんな夢を描いていたのだろう。



知らない街を、当てもなく歩くのは案外楽しいものだ。
このほか、池田市にはインスタントラーメンを発明し、日清食品を創業したた安藤百福の「インスタントラーメン発明記念館」があることを家に帰ってから知った。残念。
大阪には、まだまだ知らないところがいっぱいある。
特に起業に成功した人の足跡をたどるのは楽しい。