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南英世の 「くろねこ日記」

徒然なるままに、思いついたことを投稿します。

火事をオシッコで消せるか?

2012年01月09日 | 日常の風景
 消費税の引き上げを巡って論議が高まっている。90兆円の予算に40兆円の借金。こんな馬鹿な話がいつまでも続くはずがない。せいぜい、よくもって後10年である。現在のところ、財政赤字は国内預金でファイナンスされているが、そのうち高齢化が進み、国債が消化できなくなる。だから、野田総理のいう消費税の引き上げは正論というべきである。


しかし、ちょっと待ってほしい。ことはそう単純ではないのだ。
かりに消費税を10%にしたところで、消費税による歳入増はたかだか10兆円程度にすぎない。40兆円の借金の4分の1、国債残高の1年の利子分にも当たらない。要するに今更消費税を上げても、遅かりし由良之助なのだ。私は20年も前から消費税の増額を授業で訴えてきた。消費税は1989年に実施され、その後1997年に5%に引き上げられた。小さく生んで大きく育てる。これが消費税だ。消費税は近いうちに少なくとも20%くらいに引き上げるべきだと主張してきた。

ところが、国民は消費税の引き上げに理解を示さなかった。あれから20年がすぎた。今ようやく引き上げ論議が高まってきたのだが、この期に及んで引き上げても、火事をオシッコで消火するに等しい。

それだけではない。消費税の引き上げによって日本が抜き差しならぬデフレスパイラルに落ち込んでいく危険性が極めて高いのだ。なぜなら、増税は国内景気を悪化させ、景気の悪化はデフレを進行させ、デフレの進行は円高を引き起こし(購買力平価説)、円高は輸出企業をますます窮地に追い込み、産業の空洞化を生み出し、その結果日本の経済はさらに景気が落ち込みデフレになると思われるからだ。

今の日本は貧乏で毎日お粥でもすすっていなければならないのに、毎日ステーキを食って贅沢をしている。昔「貧乏人は麦を食え」といってひんしゅくを買った政治家がいたが、最近の政治家は小物になってしまって国民のいやがることは言わなくなってしまった。もはや消費税の引き上げくらいでは問題解決は困難である。このままでは日本に残された選択肢はほとんど一つしかない。それは結果的に「インフレ税」をとることである。一度海の底まで潜ってリセットしなおし、その上で再出発するしかないのかもしれない。




為替相場を決める二つの要因

2012年01月05日 | 日常の風景
 為替相場を説明する理論として有力な説が2つあるとされる。購買力平価と金利平価である。
バブル崩壊後、日本はずっとデフレ気味である。これに対してアメリカでは物価が少しずつ上がっている。物価下落が続く日本と、物価が上がるアメリカ。購買力平価説にしたがえば、円はドルに対してだんだん高くなるのは当然といえる。

 一方、金利平価は高金利な通貨ほど安くなるという結論を導く。かりにアメリカの金利が10%で、日本の金利が1%だとする。100万円をアメリカに預ければ10万円の利子が付き、日本に預ければ1万円しかつかない。資本移動が自由だとすると、日本のマネーはアメリカに流れ、その結果ドルが買われ、短期的にはドル高・円安となる。



 だが、こうした状況は長くは続かない。アメリカでインフレが発生し、結局ドルは下落するからだ。高金利国に預けても、金利差は為替レートの下落で相殺され、長期的には日本に預けておくのと変わらなくなるのである。

 だから、長期の為替相場は結局は、購買力平価説が一番有力だということになる。すなわち、日本のデフレが続く限り円高は続くという結論になる。円高を止めるために為替市場に介入しても無駄である。デフレを止めることが唯一の対策である。