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南英世の 「くろねこ日記」

徒然なるままに、思いついたことを投稿します。

中間層の底上げを

2021年04月30日 | 日常の風景
バイデン大統領が中間層の底上げ政策を打ち出した。背景にあるのは1980年代から台頭した「新自由主義」による格差拡大であり、中国との対立である。このままではアメリカは中国にナンバーワンの地位を明け渡すことになりかねない。国を支えるのは中間層であり、ウォール街の富裕層ではない。そんな危機感が感じられる。

一方、日本はどうか?
かつては「1億総中流」と呼ばれたこともあった。しかし、新自由主義の台頭により資本家階級の「逆階級闘争」が始まり、貧富の差は拡大した。富裕層は合法的に富を増やすことに成功した。下図は所得別の税負担率である。1億円までは累進課税が効いているが、1億円を超えると税負担率は減少していく。所得税の最高税率が引き下げられると同時に、利子・配当にかかる税金には累進課税が適用されないからである。またこの間、法人税も引き下げられてきた。


富裕層の税負担を減らしたツケは消費税に跳ね返ってきた。「ケッ、何が社会保障の財源確保」だ。要はとりっぱぐれのないところに網をかぶせただけではないか。それでも自民党への支持率は下がらない。野党が頼りなさすぎるからである。もっとまともな経済対策を打ち出したらどうなんだ。

唯一の望みは、アメリカが変われば日本も追随するだろうということでしかない。


365人の仕事の教科書

2021年04月26日 | 日常の風景
なかなかいい本だった。各界で活躍する人の人生哲学が1日1話という形式で語られている。幸せになるための教科書ともいえる。特に印象に残った言葉を以下に掲げる。なお(  )内の小見出しは私が勝手につけたものである。


(人生)
◆偉い人間にならなくていい、立派な人間になれ(ガッツ石松)
◆「一隅を照らす」とは、自分の仕事に全力を注ぎなさいということです。職業に貴賤はありません。忘己利他で全力を尽くせば、だれでも「あの人は立派な人や」ということになる。
◆左藤義詮校長先生から繰り返し繰り返し言われたのが「みてござる」という言葉だった。(西端春枝)
◆美しいと感じる能力、これを持ち合わせていないと幸せにはなれない。
◆人生は美しいことだけ憶えていればいい(佐藤愛子)
◆教育は流水に文字を書くようなはかない仕事である。(野尻武敏神戸大学名誉教授)
◆幼少期の子どもは本当に暗示にかかりやすい。親が常にポジティブな言葉をかければ、そういう子どもになっていく(ピグマリオン効果)。だから、トンビでもタカの子育てを真似れば、タカになる。
◆事件を起こす生徒は、家庭がしんどかったり、満足に教育を受けていないケースが多い。気を紛らわすために万引きしてもバイクを盗んでも、満足感も充実感も得られない。要するに本心はいやされたい、分かってほしいと叫んでいるんです。そんな子にタバコを吸うなと言ってもまた吸いますねん。ではどうするか。クラブ活動、体育大会、文化祭などで何らかの役割を持たせる。物事をやり遂げたという充実感を感じさせ、生徒を褒めてやる。人間は些細なことでも認めてもらえると心が満たされる。
◆泥棒と悪口を言うのと、どっちが悪いか。泥棒に入られて自殺する人はいないが、悪口を言われて自殺する人はたくさんいる(三浦綾子)。
◆「見よ、この大地を! 39億年の地球の生命の歴史と巨大な太陽のエネルギーの下での生命のドラマが目の前にある。現場を見ろ。本物を見ろ。教育とは単に手取り足取り教えることではない。」(横浜国大、宮脇昭名誉教授)
◆人を叱るときは、現行犯でしかること、古いことを持ち出さないこと、しつこく叱らないこと、この三つがコツである。また同時に直す方法も言うこと。一つの方法だけでは直らないから、今度はこうやってごらんと、どんどん次の直し方を言う。そして直ったと思ったら「それでいいよ」とOKを出す(井村雅代シンクロスイミング)
◆「あんたが変わらなければあかんのやで」。(筋ジストロフィーの息子さんを育てた女性の言葉)
◆「落ちるからこそいい作家になれるんだ。その味を忘れちゃいかん」(展覧会に日本画を出品して)
◆貧乏には明るい貧乏と暗い貧乏がある。うちは明るい貧乏だからよか。それも最近貧乏になったのではないから自信を持ちなさい。うちは先祖代々貧乏だから。
◆臨床心理士として私が意識しているのは、命がけで話を聞くということです。一人の人の声に50分間、ひたすら耳を傾けます。「ああしたらいい、こうしたらいい」という話は一切しません(源藤 章)
◆建築学科の学生が4年間かけて学ぶ専門書を1年で全部読もうと決心し、毎朝9時から翌日の朝4時まで机に向かった。睡眠時間は4時間。1年間続けた。(安藤忠雄)
◆当時のカルカッタには、いたるところに行倒れの人が転がっており、全身から膿を出している人、ウジ虫の湧いている人がいた。マザーテレサは、一番死に近い人から抱きかかえ、死を待つ人の家に連れて行き、体をきれいに洗ってあげ、最期の瞬間を見送る。あの人たちは乞食ではなくイエス・キリストである。イエスはあなたが本気かどうかを確かめるために、あなたの一番受け入れがたい姿であなたの前に現れている。

(感謝する力)
◆上司、先生が嫌いだといっていたら、自分で自分の才能を閉じてしまうことになる。その時は「相手は自分を高めるツール」「この経験が自分を磨くんだ」と思えばよい。
◆人事異動でもなんでも「外れくじ」と思うことがある。でも、それを「このくじは当たりだ」と思うことが大切。それにより自分を成長させることができる。
◆ピンチはチャンスだ(清水英雄)
「つらいことがおこると感謝するんです。これでまた強くなれると。ありがとう。
 悲しいことがおこると感謝するんです。これで人の悲しみがよくわかると。ありがとう。
 ピンチになると感謝するんです。これでもっと逞しくなれると。ありがとう。」



◆「ありがとう、ありがとう、ありがとう」と繰り返して言っていると、言葉の波動を受けて体内の水や血液が再生し健康体になる。精神も豊かになり、人間関係も円滑になってきます。(心学研究家)
◆いかなる教育も、逆境から学べるものにはかなわない(ベンジャミン・ディズレーリ―)
◆感情がマイナスに振れた時、プラスに持っていく工夫をして「どんな状況でも幸せを感じられる」ようにすることが大切。
◆何か一つのことができるようになったとき、自分一人の手柄と思うな。世間の皆様のお力添えと感謝しなさい。錐だって片手では揉めない。(桂小金治)
◆奇跡=才能×努力×感謝力(プロゴルファー)
◆指揮者としての力量=(才能+運+努力)×感謝力(佐渡裕)
◆指揮者としての信条は「オーケストラの一人一人をひたすら尊敬する」こと。ヴァイオリンにしろチェロにしろ、彼らは僕などどんなに頑張っても寄り付けない大変な天才なのである。
◆何か悪いことが起こった時は「身から出た錆」、いいことが起こった時は「おかげさま」と思うことを私のモットーにしている(山中伸弥)

(仕事術)
◆人に何かをしてあげることは、遠く回って、結局は自分のためになる(コシノジュンコ)
◆教えてもらったことは忘れる。自分が盗んだものは忘れない(すきやばし次郎主人)
◆私はお客様の名前を覚え、必ず名前を呼びかけることを徹底している。普通なら「Good morning」というところを「Good morning Mr.Horman」という具合である。ホテルマンの私は1万人以上のお客様の顔と名前を憶えている。そのために毎朝勤務時間の1時間以上前に出社し、コンピューターから打ち出されたその日のVIPリストの名前、部屋番号、勤務先、愛車などを手書きする。リストをただ眺めているだけでは頭に入ってこない。自分の手で実際に書きだしていくことでインプットされていく。
◆ホテルのサービスは「100―1=0」。ミスをした場合「お詫びとお礼は1秒でも早く」。
◆リーダーシップとは、上から下への指導力ではない。「人を動かす影響力」を言う。
◆新しいものを取り入れるためには、まず古いものを棄てなければならない。まず場所を空けないと、新しいものは入らない。
◆企業の定義として有効な定義は一つしかない。すなわち顧客の創造である。(ドラッカー、柳井正)
◆天狗は芸の行き止まり(一龍斎貞水)。
◆勝負は結果にしか過ぎない。目先の勝ち負けを離れ、相手に勝る努力をして芸を磨け(藤原秀行)
◆誰もが夢だとか目標だとかいうけれどもそいうものではない。毎日同じことの繰り返しだよ。毎日、四股500回、鉄砲2000回やった。そうしたら序の口、序二段、三段目と番付が上がってきた(大鵬親方)
 


巨匠から学ぶ

2021年04月19日 | 日常の風景
日本画を学び始めて半年。少しずつ理解できるようになってきた。
今教えていただいている日本画教室のF先生は創画会の会員である。職場の美術の先生が日本画専門であると聞いて、そのことを話題にしたら、「エッ、創画会!」とびっくりしておられた。創画会というのは日本画の世界では、日展、院展、と並ぶ3大画壇であるとは聞いていたが、創画会のステイタスがそんなにすごいものであることをこの時初めて知った。

現在、創画会の会長をしておられるのは上村淳之(うえむらあつし)京都芸術大学元副学長である。上村先生は伝統的な花鳥画を得意とし、今も自宅に1000羽の鳥を飼っておられる。余白を大切にし、余白の中に広い宇宙を感じさせるその画風には多くのファンがいる。たまたまネットで上村先生の画集を手に入れた。確かに余白を感じさせる。


この画集の中に、こんな言葉があった。
「日本画では、対象を前にして直接描くことはまず不可能と言っていい。まず写生し、ついで下絵を描き、最後に本紙を描くという3段階の手順を踏まねばならない。本紙を『解答』とするなら、写生は『基礎知識』であり、草稿は『計算用紙』だといえる。草稿を練る間に、どのように描くか、どのように表現するか、を検討するわけである」
「絵画は所詮、対象の再現を目的とするものではなく、またその必要もないはずである」

私が初めて日本画に引き付けられたのは平山郁夫氏の作品群である。とくに「パルミラ遺跡を行く」が好きで、40万円出して複製を購入した。その平山郁夫氏の著書にも似たようなことが書かれてあった。
「お手本に近ければいいデッサンだと思っているようなところがあるのですが、実は感動を受けるデッサンはそういうものではない」

以前、写真やお手本を見て描いたら先生からやんわりと注意されたことがあった。今ようやくその意味が分かった気がする。写真やお手本を見て描いていたのでは、それ以上のものには仕上がらない。F先生のやり方は芸大のカリキュラムに沿った本格的なものである。そのことを芸大のカリキュラムを見ていて初めて知った。


一方、最近ハマっているのが東山魁夷さんの作品である。魁夷さんのすごいところは、日本画の伝統に全く新しい手法を導入したことにみられる。初期の作品にはまだ「余白」ともいえる部分がある。


しかし、その後に描いたものの中には、余白が全くない作品も少なくない。







描きたい対象にぐっと近づいて、さらにもう一歩近づいて、自然の一部だけを切り取って拡大し画面いっぱいに表現する。草木の一本一本にも生命が宿り美しく輝いていることを表現するためであろう。今までの日本画にはなかった手法といえる。

しかし、どうやったらあんなふうなすごい絵が描けるのか? なんとか魁夷さんの描き方を知りたくて東山魁夷全集なども購入した。

この本は大型本であるだけに、筆遣いの細かな部分まで見て取れる。




自分でやってみて初めて東山魁夷という作家のすごさを実感できた気がする。こんな絵は誰にもまねができない。

(PS)
先日、世界の美術館のDVD(全18巻)をヤフオクで競り落とした。70歳を機にリタイアーしようと思っていたから、今年度働くのはおまけみたいなもの。稼いだお金は全部趣味につぎ込んでも惜しくない(笑)。


(PS2)
さらに平山郁夫全集まで購入してしまった(笑)。超大型本で縦が38センチもある。




ウォール街の野望

2021年04月14日 | 日常の風景
面白い本だった。印象に残ったところを紹介する。
アメリカの大統領選挙は資金戦争である。1回の大統領選挙で約2000億円のお金が飛び交う。ウォール街は選挙結果のリスクを避けるために共和党、民主党の双方に大口献金をしている。したがって、アメリカの政治にはウォール街の意向が反映される。

ウォール街は時にはマスコミを使ってフェイクニュースをでっちあげ、戦争を引き起こす。戦争はもうかる商売である。
またアメリカの政治家は、ウォール街の営業マンよろしく各国に出向いて交渉し、その国の法律を変えさせウォール街の利益に貢献する。日本でも大店法の廃止、保険法の改正、医療制度改革、遺伝子組み換え食品にかかわる法律の変更、郵政民営化、水道法改正などなど、株式会社アメリカは利益を求めてさまざまなところに手を伸ばしている。

たとえば、郵政民営化とは何だったのか?
著者によれば、これを要請したのはゴールドマン・サックスのロバート・ゼーリック副会長であるという。彼は竹中平蔵氏に手紙を書き郵政民営化を進言した。狙いは、郵便貯金340兆円を解放し、そのお金をゴールドマン・サックスが勧めるリスク商品(=アメリカ企業の株式や債券)に投資させることである。これによってゴールドマン・サックスは何億円という莫大な手数料を稼ぐことができる。

日本のマスコミは放送法によって外国人所有分が20%を超えてはいけないとされている。しかし、フジや日本テレビは20%を超えている。両社は日本を代表する右寄りのメディアである。このことが意味するのは何か? 容易に想像がつく。



日本のメディアが伝えない面白い視点から分析している本である。

失敗してわかること

2021年04月11日 | 日常の風景
どうしてもわからないことがあった。
東山魁夷さんの山の描き方である。どうしたらああいう絵ができるのか? 薄い色の上に濃い色を塗ることはできるが、濃い色の上にどうやって薄い色を重ねているのか?



実は、自分で描きたい絵があった。それが下の写真である。


ところが、背景の水色の濃淡がどうしてもうまく描けない。下地塗りをして上から淡い色をのせようとしたら見事に失敗した。


いろいろやってみたが、2回目も3回目も失敗した。どうしても思った色にならない。
勇気を出して日本画教室の先生に聞いたが「描いた人でないと分からない」とつれない。挙句の果てにはそもそも「写真を見て描くのが間違っている」と言われては返す言葉もない・・・。
それでしばらく放っておくことにした。行き詰まったら休むのも一つの対処法だ。

先日、魁夷さんを描いたDVDがあることを知り、藁にも縋る思いで即座に6本ほど買った。


その中に、魁夷さんが絵筆をとっているシーンがいくつも出てきた。そして山を描いているシーンを見て、はたと気が付いた。







今までの手順が全く逆だった。これまでは地塗りした上に色を重ねていたが、そうではない。これまでさんざん失敗を繰り返してきたから、魁夷さんの描き方を見て失敗の理由が瞬間的に理解できた。なるほど、そういうことだったのか。
失敗は無駄ではなかった。




それからもう一つ気が付いたことがある。一般に学問の世界では「木を見る前に森を見よ」と言われる。しかし、絵の世界では逆のようだ。森を描くにはまず1本1本の木をきちんと描く力が必要である。木の種類を描き分ける力なくして森は描けないのだ。まさに「森を見る前に木を見よ」なのである。魁夷さんは唐招提寺の障壁画を描くために、全国の海や木々の膨大な量をスケッチしていた。
ちなみに次の絵の左側は写真ではない。これもスケッチである。恐るべし!


まずは1本1本の木をよく観察し、正確に描くトレーニングから始める必要がありそうだ。



日本画を習い始めて半年

2021年04月07日 | 日常の風景
日本画教室に通って半年になる。鉛筆デッサンから始まって色鉛筆による彩色をへて、ようやく水干絵具でリンゴやバラなどを描くところまで教わった。岩絵具の使い方はまだ習っていない。しかし、1日でも早く岩絵具を使ってみたいという衝動は抑えがたく、先日岩絵具を15万円分ほど購入した。
それでさっそく試しに描いたのがデルフォイ神殿の模写である。本に描かれていたものを参考にした。


そしてもう一つ描いたのが若草山の鹿。たまたま素敵な写真を見つけたので、それをもとに描いてみることに。とはいっても、やはり本物を見ておく必要がある。
というわけで先日、若草山(342メートル)に登ってきた。ちょど桜が満開でハイキングにちょうど良い季節である。





途中でスケッチなどをしながら1時間半ほどで頂上に着いた。頂上にも鹿がたくさんいた。





この鹿さんをモデルに描いたのが下の絵である。若草山のメルヘンの世界を描きたかったのだが、粒子の荒い岩絵具を使ったら空がザラザラしたものになってしまった。まあ、失敗を重ねながら少しずつ慣れていくのだろう。




日本画教室の先生にこの絵を見せたら、「写真やお手本を見て描いてはいけません」と注意された。残念…
現地に出かけてスケッチをし、そのスケッチをもとに構図を考え、下図を描いて彩色する。これが基本ですと強く言われた。

なにしろ先生の恩師にあたる元京都市芸大副学長上村敦之(うえむらあつし)先生は、鳥を描くためにいまも自宅に1000羽の鳥を飼っているという方である。だから、本物をよく観察して描くという日本画の基本を叩き込まれているのだろう。学生の時に「絵を描くということは人間形成です」と教わったともいわれていた。

しかし、外でスケッチをするというのはちょっと勇気がいる。人が寄ってきて「へたくそやなー」と思われることを覚悟しなければならない。特に子どもは思ったことを素直に口にするから怖い。同じ教室で日本画を習っている方がアドバイスしてくれた。「南さん、最初は人のいないところでスケッチするといいですよ」。
さしあたり淀川の夕焼けでもスケッチしてみようか。ここなら人もおるまい(笑)。