ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

母の四十九日

2022年08月23日 20時09分13秒 | 家族

早いもので、この週末は母の四十九日。

住む人がいなくなった実家で

ごく身内だけで法要を営みました。

幅1間、高さは床から天井までという

自分の実家ながら、立派なお仏壇での法要は

これが最後になるかもしれないけれど。

 

<精進落としのお刺身の上には、葉っぱで作ったトノサマバッタ>

 

実家を片付けてくれている姉から

母のノートをもらいました。

5年前から4年前にかけての、

その日の歩数や出費や出来事を

覚え書きのように書き記したもの。

 

震えるボールペンの母の字で、

誰から電話があったとか、何が届いたとか、

何を買ったとか、そんなことが綴られた、

ささやかな、母一人の日々。

当時の母の暮らしや思いを垣間見る気分。

 

<スイカと蛸の梅肉和えは、和風生ハムメロンかな>

 

ノートの最後には、どこで聞いたか

さまざまな健康法のメモもびっしり。

心臓を守るにはオリーブオイルだとか、

カルシウムが不足すると不整脈が出るだとか、

コレステロールを下げる方法だとか。

 

5年前はちょうど父が他界した年。

母は一人暮らしで孤独を抱えながらも、

一人で、一生懸命暮らしてたんだな。

一人だからこそ、健康でいなければと

精一杯がんばっていたんだな。

 

時折、私からの電話や贈り物の記述もあるだけに

なんでもっと頻繁に連絡しなかったのかと

母のさみしさを分かってやれなかったのかと

今更ながら、胸が締めつけられる。

表面的な会話はいっぱいしたけれど、

母の心の底の思いにまで、ふれたことはなかったから。

 

読むたび、少しつらい気持ちにはなるけれど、

母が懸命に生きてきたひとつの証。

せめて大切にすることで

少しでも供養になればと思うのでした。


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