ねことわたしのやわらかな日々

17年一緒に暮らした愛猫を亡くしましたが、日々のささやかな幸せを、
手のひらで温めて暮らしています。

偉大なスーツの群れ

2015年11月08日 18時10分00秒 | 社会
若いころは、毎朝列になって出勤する
覇気のないスーツの群れに
嫌悪感を抱いたこともあったけど
いつの頃からか、そのスーツの群れに
尊敬を覚えるようになっていて。
それは年をとったせいなのか、
社会にのまれてしまったせいなのか。

でもね、雨が降る日も、凍える朝も
仕事で大失敗してしまった翌日も、
人間関係に苦しみ、行きたくない朝も、
後輩が自分の上司になった朝も、
降格されたり、給与カットされた朝も、
あらゆる苦しみや、不条理や、
砂をかむような日々に耐えながら
職場に向かう、その粘り強さは
やっぱり偉大なのではないかしら。

(何も背負わないみみにゃんは自由)

やりたいことも、やりたくないことも
心の中にぜんぶ静かに封印して。
「嫌なら辞めればいいのに」
「やりたいことをやればいいのに」
そうした声に波立つ心にフタをして
かっこ悪くて、イケテナイ毎日を
いろんなものを背負って、繰り返す。

きっと一人ひとり、そんな人生にも
その人なりの意味を見出し、
何かのために、誰かのために
重い足を運び続けるのでしょう。
そんな人生もアリ、というより、
とてつもなく偉大なことに思える。
それがどんなに大変なことか
若い頃より分かるようになったから。

転職を繰り返したわたしには
到底それだけのガマンはないけれど
毎朝スーツの群れに出くわすたび
がんばれ、がんばれ、と心の中で
エールを送る日々なのでした。
コメント
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